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景品表示法の広告規制|罰則や課徴金を減免されるためのポイントも解説

景品表示法
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 ヘルスケア広告作成にあたり、薬機法と並んで配慮しなければならないのが景品表示法です。しかし景品表示法はあいまいな部分が多く、一流のマーケターにさえ「何を書いたら違反になるのかよくわからない」という人が少なくありません。違反時には社名公表や課徴金もあり、処分は厳しいものとなっています。ただ、消費者の保護を目的とする景品表示法では救済措置もあり、条件を満たせば社名公表や課徴金を減免されるのです。

本稿では薬事法管理者の観点から

  • 景品表示法の規制・罰則
  • 課徴金を減免される条件

などを解説していきます。情報の信ぴょう性については

  • 薬事法管理者
  • コスメ薬事法管理者
  • YMAA認定(薬事法・医療法遵守広告代理店)ライター

の3資格をもつライターが執筆しておりますのでご安心ください。

景品表示法の広告規制

世のなかにはいろいろな商品・サービスが存在します。わたしたちが数ある商品・サービスの中からどれを買うか選ぶ際、判断基準のひとつとなるのが広告です。

ところが広告で標ぼうされた表示が事実でない場合、信用して購入した人が損をしてしまいます。

そこで景品表示法では不当表示としてたとえば以下のものを禁止しています。

  1. 優良誤認表示
  2. 有利誤認表示

優良誤認表示とは

セール

優良誤認表示とは商品・サービスの品質や規格、その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認を与える表示を指します。優良誤認表示は、ヘルスケアの景品表示法違反でずば抜けて多いです。

景品表示法はその第5条1項で以下のように規定しています。

景表法は事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、その品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、

(1)実際のものよりも著しく優良であると示すもの

(2)事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの

であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(優良誤認表示の禁止)                                                      

                                       (消費者庁)

 

優良誤認表示にも

  1. 実際のものよりも著しく優良であると示すケース
  2. 競争業者のものよりも著しく優良であると示すケース

2種類があることがわかります。

1)実際のものよりも著しく優良であると示すケース

商品・サービスの品質や規格、その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認を与える表示は不当表示となります。

際のものよりも著しく優良であるかのように表示

・「カシミヤ100%」と表示していたが実際はカシミヤ混用率は70%程度だった。

・80種類もの栄養成分配合と表示していたが、実際には30種類だった。

体験談やアンケートのねつ造

・購入者の体験談やアンケートを用いて、運動も食事制限もなしで痩身効果が得られるような表示をしていたが、実際にはその内容はねつ造されたものであり、効果の実証データも根拠のないものであった。

効果効能のねつ造

・マイナスイオンで空気清浄をするかのように表示していたが実際にはそのような効能は認められず、表示の根拠もなかった。

 

2)競争業者のものよりも著しく優良であると示すケース

実際はそうではないのに、商品・サービスの品質や規格などが競争業者のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認を与える表示は不当表示となります。

 

翌日配送としていたか実際にはそうでない地域もあった。

・栄養成分が他社の2倍と表示していたが、実際には他社製品と同等の量しか配合されていなかった。

・産地直送と表示していたが、実際にはそうでなかった。

有利誤認表示とは

有利誤認表示とは商品・サービスの価格その他の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を指します。景品表示法は第5条2項で以下のように規定しています。

景品表示法は事業者が、自己の供給する商品・サービスの取引において、価格その他の取引条件について、一般消費者に対し、

1)実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの

(2)競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるものであって、

不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められる表示を禁止しています(有利誤認表示の禁止)

                                  (消費者庁)

 

有利誤認表示も同様に

  1. 実際のものよりも著しく有利であると示すケース
  2. 競争業者のものよりも著しく有利であると示すケース

の2種類があることがわかります。

1)実際のものよりも著しく有利であると示すケース

商品・サービスの価格その他の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示は不当表示となります。

二重価格表示

価格表示を「今だけ50%!」と表示していたが、実際には常にその価格で販売していた。

実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であるかのように表示

・セット売りの商品を「お徳用」と表示していたが、実際には単品で購入しても同じ価格だった。

・「先着100名様限定プレゼント!」と表示していたが、実際には50名にしかプレゼントしていなかった。

・一部の商品だけ5割引きなのに「全品5割引き」と表示していた。

2)競争業者のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの

商品・サービスの価格その他の取引条件について、競争業者ものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示は不当表示となります。

・「他社商品の2倍の内容量」であるかのごとき表示をしていたが実際には、他社と同程度の内容量であった。

・折込チラシで、海外有名化粧品が、地域一番の安さと表示していたが、実際には周辺の価格調査をしておらず、根拠のないものだった。

 

有利誤認と優良誤認はなにが違う?

優良誤認は商品サービスが対象、有利誤認は取引が対象

優良誤認表示の禁止と有利誤認表示の禁止、一見すると同じことをいっているように感じられますが何が違うのでしょうか。

優良誤認表示商品やサービスにおける誇大表現であるのに対し、有利誤認表示取引条件における誇大表現です。条文をよく見てみると優良誤認の方は対象が「品質、規格その他の内容について」、有利誤認では「価格その他の取引条件について」となっていますね。

不実証広告規制

優良誤認や有利誤認の禁止は「虚偽の記載で消費者を騙してはいけませんよ」というものです。しかし、広告内容が虚偽であるかどうかは傍目には分かりません。

そこで、これら不当表示に該当するかどうかを判断するために作られた規制が、不実証広告規制です。

15日以内に合理的根拠の提出が求められる「15日ルール」

試験管

平成26年6月に景品表示法が改正され、いわゆる“15日ルール”がスタートしました。

“15日ルール”とは消費者庁から不当表示の疑いをかけられた場合、15日以内に当該表示を客観的に裏付ける資料を提出しなければならないというものです。

15日ルールでは

(1)15日以内に

(2)表示している効果、性能と適切に対応し

(3)客観的に実証された内容の根拠資料の提出

が求められます。

 

15日以内に表示の根拠となる合理的な資料を提出できなければ措置命令が出されることとなります。また15日以内に提出できても、合理的な根拠とみなされなければ措置命令となる可能性があります。

合理的根拠と認められるには次の2要件を満たさなければなりません。

【合理的根拠と認められるための要件】

  1. 提出資料が客観的に実証された内容のものであること
  2. 表示している効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること

不実証広告規制について詳しくはこちらの記事で解説しています。

景品表示法の不実証広告規制とは?摘発されない4つのポイントも紹介
令和3年1月19日に、萬祥とNature Linkが空気清浄機の広告表現について景品表示法に基づく措置命令を受けました。いずれも空気清浄機機能の合理的根拠を提出できなかったことが原因です。景品表示法では表示の真偽を判断するために、根拠資料の...

 

改正と同時に事業者の表示管理体制が強化され、事業者が講じるべき措置の指針が定められました。

(事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置)

事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、景品類の提供又は表示により不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害することのないよう、景品類の価額の最高額、総額その他の景品類の提供に関する事項及び商品又は役務の品質、規格その他の内容に係る表示に関する事項を適正に管理するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じなければならない。

(景品表示法第26条)

 

事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針

1景品表示法の考え方の周知・啓発

2 法令遵守の方針等の明確化

3 表示等に関する情報の確認

4 表示等に関する情報の共有

5 表示等を管理するための担当者等を定めること

6 表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を採ること

7 不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応

 

景品表示法の罰則

罰則

違反した場合、行政処分として措置命令や課徴金納付命令、刑事処分として「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金あるいはその両方」などが課せられることがあります。刑事事件になるケースはまれですが、行政処分でも億単位の課徴金納付命令が出ることも少なくありませんから注意が必要です。

行政処分

1措置命令

景品表示法に違反した場合、まず消費者庁や都道府県から措置命令が出されます。

具体的には、以下の3点が命じられることとなります。

 

【措置命令で下される命令】

違法な広告であったことを一般消費者に周知徹底

再発防止策を自社の役員や従業員に周知徹底

広告の停止

 

2課徴金納付命令

平成27年度までは広告差し止めなどはあったものの、それ以外行政上の罰則はなく、実質上やったもの勝ち状態が続いていました。そこで平成28年度から「やり得」をなくすために課徴金制度も導入されたのです。

課徴金の額は、売上額の「3%」、対象となる期間は最長で摘発時からさかのぼって3年間です(除斥期間)。

自主申告や自主返金で課徴金が減免される場合も

ただし、景品表示法には自主申告制度(景品表示法9条)や自主返金制度(景品表示法10条、11条)があり、課徴金が減免となるケースもあります。

1.不当表示を自主申告した場合

不当表示を事前に自主申告した事業者に対しては、課徴金額の2分の1が減額されます(景品表示法9条)。もちろん、行政の調査が入ってからではこの制度の対象にはなりません(景品表示法9条ただし書)。

2.被害者に自主返金した場合

事業者が課徴金納付命令を下されるまでの期間内に、被害者に対し課徴金相当額以上の自主返金をした場合は、課徴金が免除されます(景品表示法10条、11条)。課徴金の減額は返金額に応じて算出されます。

刑事処分

逮捕

懲役・罰金刑

措置命令に従わない場合、「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金あるいはその両方」が科されることがあります。さらに、法人には、「3億円以下の罰金」が科されることがあります。

摘発されても課徴金を免れるケースも!条件やポイントを紹介

もともと景品表示法は独占禁止法の特例法として制定されたものであり、一般消費者による自主的・合理的な選択を確保すること、つまり一般消費者の利益を保護することを主目的としています。そのため救済措置的な制度も設けられていて以下のいずれかの条件に該当した場合、課徴の対象となりません。

  1. 不当表示に関して善意・無過失であること
  2. 課徴金の金額が150万円未満であること
  3. 不当表示をやめた日から5年間が経過したこと

1:不当表示に関して善意かつ無過失であること

(1)違反事業者が課徴金対象行為をした期間を通じて課徴金対象行為に係る表示が不当表示に該当することを知らず、

かつ、

(2)知らないことにつき「相当の注意」を怠った者でないと認められる場合には、課徴金は課されません(景表法8条1項ただし書)

これは第三者保護の観点からの取り決めで、違法行為に自ら関与したのでないことが明らかなケースでは、課徴金を徴収できないことになっています。つまり悪質性が低いと判断されれば課徴金の対象にならないわけです。

過去に日産自動車は、このルールにより課徴金を免れています。

 

この相当の注意とは以下のようなものがあります。

  1. 管理措置指針に沿う具体的措置を講じる
  2. 供給する商品の内容や広告表現などについて確認、配慮する
  3. 広告表示についてのコンプライアンス体制を整える

1:管理措置指針に沿う具体的措置を講じ

前述の措置指針に沿う具体的措置を講じていた場合「相当の注意を怠った者でない」と認められるものとされています。(「不当景品類及び不当表示防止法第8条(課徴金納付命令の基本的要件)に関する考え方」(消費者庁・平成28年1月29日))

事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針

1景品表示法の考え方の周知・啓発

2 法令遵守の方針等の明確化

3 表示等に関する情報の確認

4 表示等に関する情報の共有

5 表示等を管理するための担当者等を定めること

6 表示等の根拠となる情報を事後的に確認するために必要な措置を採ること

7 不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応

 

2:供給する商品の内容や広告表現などについて確認、配慮する

チェック

また供給する商品の内容や広告表現などについて確認、配慮をおこなうことも「相当の注意」に含まれるとされています。

消費者庁のガイドラインでは無過失といえる事例として、次の例示をしています。

製造業者が、実績がある等信頼できる検査期間の性能試験検査の結果に基づいて表示をおこなっていたものの、その結果が誤っており、不当表示となってしまっていた場合

日産自動車はこの規定により課徴金を免れています。

3:広告表示についてのコンプライアンス体制を整える

  • 広告出稿前に必ずリーガルチェックを入れる
  • 社内に表現の指導・監督部署を設ける

など公正競争規約を遵守する体制を整え、かつ、実施していることも相当の注意に含まれます。

 

公正競争規約とは?景品表示法第31条の規定により、公正取引委員会及び消費者庁長官の認定を受けて各業界が表示や景品類に関する事項について自主的に設定する業界のルールです。

 

 

事実と異なったり、誇大な広告は消費者に不利益を与えかねません。そこで、事業者間の公正な競争によって消費者の自主的・合理的な商品選択に役立つよう、各業界がいろいろな商品について消費者の意見を採り入れ、それぞれの業界実態に合わせた自主ルールが公正競争規約です。

 

たとえば「化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則」の15条では

 

特定用語の使用基準(「安全」、「安心」など安全性を意味する用語、「世界一」、「第一位」、「当社だけ」など優位性を意味する用語など)を定めています。

 

 

法律ではありませんが、公正競争規約を守っている限り、景品表示法に違反することはありません。

 

 

2:課徴金の金額が150万円未満であること

課徴金対象期間において算定した課徴金の金額が150万円未満の場合、課徴金制度の対象とはなりません。(景品表示法8条1項ただし書)。つまり売上が5,000万円未満の場合、課徴金の対象外です。

 

3、不当表示をやめた日から5年間が経過したこと

不当表示をやめた日から5年間が経過した場合、課徴金を課さないこととなっています(景品表示法第12条第7項)

景表法に配慮したコンテンツ作成は専門家への依頼が吉!

景品表示法は複雑な規制を多く含み、規制の内容も時代とともに変わっていきます。違法性は広告全体で判断されるので、同じ表現でも違法性が異なるケースも少なくありません。景品表示法に配慮した広告作成は専門家に相談するのが得策です。


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