【2024年版】化粧品で「浸透」はどこまで?薬機法(薬事法)の浸透表現について徹底解説

化粧品の広告で「肌の奥まで浸透」「角質層の奥までケア」などの表現を見かけます。しかし化粧品における浸透表現は薬機法(薬事法)で細かなルールが設けられています。今回は化粧品の浸透表現について最新の情報を踏まえて解説介します。医薬部外品の「基底層まで届く」などの表現についても紹介していますので参考にしてください。

情報の信ぴょう性については

  • 日本でただ一人消費者庁に公的文書の誤りを指摘・改善させた実績
  • 景品表示法務検定(消費者庁、公正取引協議会主催)アドバンスクラス(平均合格率2.9%)所有
  • 上場企業との取引実績多数
  • 食品の適正表示推進者(東京都福祉保健局主催)
  • その他薬事法関連民間資格ひと通り(薬事法管理者資格など)
  • 薬事広告実績9000件以上

をもつ専業5年目薬機ライターが解説しています。

目次

化粧品の浸透表現の薬機法(薬事法)上の位置づけ

鎮静

はじめに化粧品における浸透表現の薬機法(薬事法)上の位置づけを見ていきましょう。

そもそも薬機法(薬事法)では医薬品等適正広告基準の(5)で効能効果や安全性を保証する表現を禁止しています。

(5)効能効果等又は安全性を保証する表現の禁止

医薬品等の効能効果等又は安全性について、具体的効能効果等又は安全性を摘示して、それが確実である保証をするような表現をしてはならない。

医薬品等適正広告基準

化粧品等の適正広告ガイドライン【2020年版】では浸透等の表現化粧品の効能効果の発現が確実であるかのような暗示、及び効能効果の範囲を逸脱した効果を暗示するおそれがある表現とし、原則おこなってならないとしています。

E3 「肌・毛髪への浸透」等の作用部位の表現

浸透等の表現は、化粧品の効能効果の発現が確実であるかのような暗示、及び効能効果の範囲を逸脱した効果を暗示するおそれがあるため、原則として行わないこと。

化粧品等の適正広告ガイドライン【2020年版】

つまり化粧品における浸透表現は原則的には認められません

化粧品の浸透表現は角質層までならOK!

しかし、浸透の表現は「角質層までなら認められます。

ガイドラインは以下のように続きます。

ただし、作用部位が角質層であることを明記した場合であって、かつ、広告全体の印象か ら効能効果の保証や効能効果の範囲の逸脱に該当するものでない場合に限って表現するこ とができる

化粧品等の適正広告ガイドライン【2020年版】

またE3 「肌・毛髪への浸透」等の作用部位の表現 」では以下のとおり規定しています。

E3 「肌・毛髪への浸透」等の作用部位の表現 」
 
①「肌への浸透」等の表現
「肌への浸透」の表現は「角質層」の範囲内であること

化粧品等の適正広告ガイドライン【2020年版】

要するに、化粧品広告における浸透表現

「角質層まで」の効果であり、広告全体から見たときに

効能効果の保証にあたらず化粧品の効果効能を超えるような印象も与えない場合のみ認められます。

【化粧品の浸透表現が認められる3つの条件】

  • 浸透が角質層までであることを明記する
  • 効能効果の保証にあたらない
  • 効能効果の範囲を越えない

化粧品の浸透表現|OK表現とNG表現

では具体的には、どのような表現であれば認められ、どのような表現であれば認められないのか

化粧品における浸透表現はのOK例とNG例を紹介します。

NG表現

【NG】

  • 肌の奥深く
  • 肌の奥から美容効果
  • 真皮にまで浸透
  • 角質層の奥へ
  • 「肌内部のいくつもの層*  (*角質層)」
  • 「肌*の奥深く (*角質層)」
  • 「肌の内側(角質層)から・・・」
  • 「ダメージを受けた角質層へ浸透して肌本来の肌に回復」(回復的)

注意したいのが「角質層まで」と注釈すればよいわけではない点。

たとえば「肌内部のいくつもの層* (*角質層)」の表現。”肌の内側”とすると医薬品的な印象を与えるので不可です。ガイドライン内でも以下のようにあります。

① 「肌への浸透」等の表現


「肌への浸透」の表現は「角質層」の範囲内であること。


[表現できる例]
「角質層へ浸透」、「角質層のすみずみへ」


[表現できない例]
「肌へ浸透」(「角質層」の範囲内であることが明記されていない)
「肌内部のいくつもの層*  *角質層」、「肌*の奥深く *角質層」
(注釈で「角質層」とあっても「肌内部」「肌の奥深く」という表現は、角質層の範囲
を越えて浸透する印象を与えるため不適切)
「肌の内側(角質層)から・・・」(医薬品的)

化粧品ガイドライン(2020年版)

OK表現

アイデア

化粧品で浸透表現についていえる範囲は非常に限られます。

たとえば「肌へ浸透」としても、角質層の範囲内であることを明記しなければ不可となるので注意が必要です。以下の表現であれば認められます。

【OK表現】

  • 肌へ浸透(浸透に※つけ「角質層」までと明記)
  • 内側にアプローチ
  • 角質層へ浸透
  • 角質層のすみずみへ
  • 角層の奥まで

お伝えの通り、同じ表現でも白黒の判断はケースバイケースになります。ですのでいっそのこと浸透訴求はやめて「うるおい補給」や「キメ」など別のアプローチでPRしていくのも手でしょう。

浸透表現の最新情報を紹介

最後に、浸透表現について知っておきたい情報を紹介します。

今後規制が変わる可能性も

お伝えしているように、現時点では化粧品の浸透表現も以下の条件を満たす場合は認められます。

  • 浸透が角質層までであることを明記する
  • 効能効果の保証にあたらない
  • 効能効果の範囲を越えない

しかしながら、浸透表現のルールは今後規制が変わる可能性があります。

そもそも化粧品広告の細かな表現ルールは、日本化粧品工業連合会(粧工連)などによって決められてます。

表現ルールの内容は時世やニーズ、違反状況などにより変わっていきます。

たとえば現在「乾燥による小ジワを目立たなくする」は一定の要件を満たした場合化粧品でも認められていますが、以前は化粧品でシワに関する表現は一切認められていませんでした。

しかし2011年7月11日に、シワ対策化粧品への消費者ニーズ化粧品会社からの強い要望を踏まえて化粧品の効能効果表に「乾燥による小ジワを目立たなくする」が追加されたのです。

逆に認められていた表現がある時を境に認められなくなるケースもあります。

そして現在日本化粧品工業連合会における広告審査会のなかで議題にのぼっているのが、この角質層への浸透表現についてです。

たとえば「角層の奥まで」は 現状ではNGではありませんが、今後不可となる可能があります。

医薬部外品で、承認を受けていれば角質層を越えた浸透表現も可能

また、医薬部外品の場合は承認を受けていれば角質層を越えた浸透表現も認められます。

ガイドラインは以下のように規定しています。

E3 「肌・毛髪への浸透」等の作用部位の表現
ー(中略)ー

なお、医薬部外品の有効成分の浸透等の表現を行う場合は、事実に基づき、承認を受けた 効能効果の範囲を逸脱しないこと。

化粧品等の適正広告ガイドライン【2020年版】

医薬部外品で、有効成分の浸透効果角質層よりも奥の「基底層」まで承認されている場合には、以下のような表現も認められます。

  • 「基底層まで浸透」
  • 「角質層の奥深くまで」

医薬部外品で、有効成分の浸透効果が基底層よりもさらに奥の「真皮層」までの承認されている場合には加えて以下のような表現も可能です。

  • 「真皮層まで浸透」

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