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日産自動車はなぜ課徴金を免れたのか?景品表示法の課徴金の免除規定

景品表示法
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景品表示法に違反すると課徴金納付命令がだされることがあります。

しかし、状況次第では課徴金納付を免れるのです。今回は平成30年の日産自動車の事例をもとに行政処分を受けても課徴金納付を免れる条件についてみていきましょう。

 

日産自動車の課徴金納付命令が取り消された事例

平成29年に日産自動車が課徴金納付命令を下されたものの翌年、課徴金納付命令が取り消しになったという事例があります。

事件の概要

平成30年12月26日、消費者庁は三菱自動車の燃費不正問題に絡みOEM供給(相手先商標製品製造)で軽自動車を販売していた日産自動車の広告に対する景品表示法違反の課徴金納付命令を取り消しました。以下、概要を時系列で説明します。

 

1日産自動車は三菱自動車から相手先商標製品製造(OEM)による供給を受け自動車を販売していた

日産自動車は、デイズルークスなど軽自動車16商品の軽27商品(以下本件27商品)を三菱自動車から相手先商標製品製造(OEM)による供給を受け、ディーラーを通じて一般消費者に販売していました。

 

2カタログなどで実際の性能より燃費が良いと不当表示したのは景表法違反(優良誤認)にあたるとして、三菱自動車に課徴金納付命令

日産自動車は遅くとも平成28年4月1日から同月20日までの間、本件27商品を販売していました。

ディーラーを通じて配布したカタログや自社サイトにおいて、各商品の実際のものと比べて優れた燃費性能等(以下燃費値)をあたかも国が定めた試験方法に基づき測定された燃費値であるかのように示す表示をしていたものの、実際には国が定めた試験方法とは異なる方法で算出していました。

燃費値のデータは製造元の三菱自動車が日産自動車に提供したものでした。消費者庁はこれを不当表示にあたるとし、表法違反(優良誤認)で三菱自動車動車に約4億8千万円の課徴金納付を命じました。

 

3データの根拠となる情報を十分に確認しなかったとして日産自動車にも課徴金命令

警告

OEM供給していた三菱自動車に燃費性能の根拠となる情報を十分に確認せず、相当の注意を怠ったとして、消費者庁は同年6月、日産にも景表法違反(優良誤認)で317万円の課徴金納付命令を出しました。

消費者庁の命令に対し日産自動車は「優良誤認表示に当たることを知らないことは相当の注意を怠ったことには当たらず、命令は取り消されるべきだ」と反論。行政不服審査会に審査請求します。

 

4「優良誤認表示に当たることを知らないことについて相当の注意を怠ったとはいえない」と判断され日産自動車への課徴金命令は取消

審査会は「日産自動車は三菱自動車が異常なデータを用いていたことなどに重大な疑義を持っていたとは認めがたい」などと判断しました。その上で仮に三菱自動車に基礎データの確認を求めた場合でも「2車種の燃費測定に不正が存在し、表示が著しく優良であると示すことになることを知り得たと認めることも困難」とし、日産自動車への課徴金納付命令を取り消すこととなりました

 

 なぜ日産自動車は課徴金納付を免れたのか?課徴金の免除規定

なぜ、日産自動車は一度は課徴金納付命令が出されたのに、取り消しになったのでしょうか。それには、景品表示法の「課徴金の免除規定」が関係しています。

課徴金の免除規定

景品表示法では第三者保護の取り決めから、課徴金の免除規定が設けられています(景表法8条1項ただし書)。免除規定が適用される要件に「不当表示に関して善意・無過失であること」というものがあり、違反事業者が、相当の注意を怠った者でないと認められるときは課徴金を課さないことになっています。日産自動車の事例ではこれが適用されました。

 不当表示に関して善意・無過失である場合課徴金は徴収されない

(1)違反事業者が課徴金対象行為をした期間を通じて課徴金対象行為に係る表示が不当表示に該当することを知らず

かつ、

(2)知らないことにつき「相当の注意」を怠った者でないと認められる場合

 

には、課徴金は課されません。

つまり違法行為に自ら関与したのでないことが明らかなケースでは、課徴金を徴収できないことが法律上定められているのです。

「不当表示になると知らず、ちゃんと注意もしていたなら、許しましょう」ということですね。

日産自動車のケースでは、三菱自動車側に燃費性能の根拠となる情報を十分に確認はしなかったものの、そのデータ不正を知ることは困難であり「相当の注意」を怠った者でないと認められたために、課徴金納付を免れたのです。

相当の注意とは?

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ここでいう相当の注意とはたとえば以下のようなものです。

  1. 表示をする際に通常必要とされる程度の注意を払う

    ex.販売する商品や、原材料を仕入れるに際、仕入れ先から提供された書類や伝票などにおける記載事項などについてその根拠を確認するなど
  2. 景品表示法に基づく表示の管理体制の整備など必要な措置を講じ、実施している
    ex景品表示法の管理措置指針「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」に沿う具体的措置を講じるなど
  3. 公正競争規約を遵守する体制を整え、かつ、実施している

 

公正競争規約とは?景品表示法第31条の規定により、公正取引委員会及び消費者庁長官の認定を受けて各業界が表示や景品類に関する事項について自主的に設定する業界のルールです。

 

 

事実と異なったり、誇大な広告は消費者に不利益を与えかねません。そこで、事業者間の公正な競争によって消費者の自主的・合理的な商品選択に役立つよう、各業界がいろいろな商品について消費者の意見を採り入れ、それぞれの業界実態に合わせた自主ルールが公正競争規約です。

 

たとえば「化粧品の表示に関する公正競争規約施行規則」の15条では

 

特定用語の使用基準(「安全」、「安心」など安全性を意味する用語、「世界一」、「第一位」、「当社だけ」など優位性を意味する用語など)を定めています。

 

 

法律ではありませんが、公正競争規約を守っている限り、景品表示法に違反することはありません。

免除規定の適用要件は

不当表示に関して善意・無過失であることの他、次の2つが規定されています。

 

課徴金の金額が150万円未満であること

不当表示をやめた日から5年間が経過したこと

 

課徴金の金額が150万円未満であること

課徴金対象期間において算定した課徴金の金額が150万円未満の場合、課徴金制度の対象とはなりません。(景品表示法8条1項ただし書)。つまり売上が5,000万円未満の場合、課徴金の対象外です。

不当表示をやめた日から5年間が経過したこと

不当表示をやめた日から5年間が経過した場合、課徴金を課さないこととなっています(景品表示法第12条第7項)。

 

消費者保護を目的におく景品表示法には、他にも救済措置が設けられて、自主申告や自主返金で課徴金が減免となるケースがあります(第9条、第9条ただし書、第法10条、11条)。

景品表示法の広告規制について詳しくはこちらの記事で解説しています。

景品表示法の広告規制|罰則や課徴金を減免されるためのポイントも解説
景品表示法には優良誤認、有利誤認、不実証広告規制などの広告規制があります。違反した場合行政処分(措置命令や課徴金納付命令)や刑事処分()などが課されることがあります。ただし第三者保護の取り決めから課徴金の減免規定があり、次の条件を満たせば課徴金を免れます(景表法8条1項ただし書)。(1)違反事業者が課徴金対象行為をした期間を通じて課徴金対象行為に係る表示が不当表示に該当することを知らず、かつ、(2)知らないことにつき「相当の注意」を怠った者でないと認められる場合には、課徴金は課されません。

課徴金を免れるためのポイントはコンプライアンス体制|早め早めの対応を

景品表示法のコンプライアンス体制が十分にとられている場合は、仮に不当表示が行われたとしても課徴金の納付を命じられることはありません。景品表示法は年々取り締まりが強化されており、近年ではAmazonや楽天、ジャパネットたかたなど大手企業の摘発も相次いでいます。規制内容をキチンと把握し、しかるべき措置を講じることが重要です。


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