「空気清浄に根拠なし」株式会社Nature Linkに措置命令

2020年1月15日、消費者庁は株式会社Nature Linkに対して同社が提供する、「AirRevo CARD/エアレボカード」、「AirRevo CERAMIC PLATE/エアレボセラミックプレート」に係る表示について景品表示法違反(優良誤認)で再発防止などを求める措置命令を出しました。

違反行為者の概要

名 称 株式会社Nature Link(法人番号 8010401091506)

所 在 地 東京都港区麻布台一丁目5番9号

代 表 者 代表取締役 川村 宏樹

設立年月 平成22年12月

資 本 金 500万円(令和3年1月現在)

違反行為の概要

株式会社Nature Linkはウェブサイト上で「AirRevo CARD/エアレボカード」、「AirRevo CERAMIC PLATE/エアレボセラミックプレート」と称する商品について

「イオンのパワーで空気革命」「エア・レボリューション、“AirRevo(エアレボ)”は、イオンの発生効果を利用した携帯エア・クリーナー。いつでも、どこでも、身につけているだけで、あなたの身のまわりの空気トラブルを軽減します。」と表示するなど

商品を身に着ければ、イオンの作用により、絶えず身の回りの空気を清浄にして人体に及ぼす影響を軽減する効果が得られるかのように表示していたが、実際には根拠のないものであった。

たとえば、エアレボカードについて、「エアレボの各製品にはイオン発生成分が配合されて います。イオンの発生成分には、空気中の水分と反応してイオンを継 続的に作り出す性質があるといわれています。エアレボはこの性質 を利用して、周囲にイオンを発生させています。(特許出願中)」 

「イオンのパワーで空気革命」「エア・レボリューション、“AirRevo(エアレボ)”は、イオンの発生効果を利用した携帯エア・クリーナー。いつでも、どこでも、身につけているだけで、あなたの身のまわりの空気トラブルを軽減します。」エアレボセラミックプレートのイラストと共に「さまざまな空気トラブルに」、「ウイルス」、「PM2.5」、「嫌なニオイ」と表示するなど、

あたかも、商品を身に着ければ、イオンの作用により、絶えず身の回りの空気を清浄にして、空気中に浮遊するウイルス、花粉、アレル物質、PM2.5、細菌等が人体に及ぼす影響を軽減する効果が得られるかのように表示していた。

表示について、消費者庁は、景品表示法第8条第3項の規定に基づき、株式会社Nature Linkに対し当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めました。資料は提出されたものの、消費者庁は表示の内容を裏付ける合理的な根拠はないと判断し景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして措置命令を下しました。

Nature Linkの対応

今回の措置命令を受け、Nature Linkは以下のように公表しています。

消費者庁からの求めに応じて、本件2商品からイオンが発生していることの製造工場による実証実験資料や、イオンがもたらす作用についての各種文献、第三者機関での検査結果等を提出したが、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示すものとは認められない、と判断された。

  • 本件2商品からイオンが発生すること、検査環境(閉鎖空間)での実験により、花粉やPM2.5といった、いわゆる空気中に存在するトラブル物質を減少させる作用があることについて第三者機関にてエビデンスを取得していたが、適切な表示・表現ができていなかった。
  • 今回の措置命令を受けた事実を真摯に受け止め、お客様・取引先企業・関係各位に多大なるご迷惑をかけたことをお詫びする。
  • 公式サイトの表示については、昨年末の時点で掲載を一旦停止し、消費者庁からの指摘内容に従い改修を予定している。
  • 今後は、消費者の皆様に誤認を与えることのない表示を行い、再発防止策を講じる

本件のポイント

白衣の女

本件は優良誤認表示で措置命令に至りました。空気清浄機がイオンを発生させたりウイルスやPM2.5、嫌なニオイを軽減する機能を持つことは化学的にはあり得ます。

ただ、その機能を立証するだけの合理的根拠が示せなかったために、措置命令となっています。また「いつでもどこでも」「身につけているだけで」など過剰表現が前面に用いられていたことも消費者庁が摘発に踏み切った理由のひとつに考えられます。

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