株式会社ECホールディングスに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について

2021年01月28日消費者庁は、株式会社ECホールディングスに対し、同社が供給する「ブラックサプリEX」と称する食品に係る表示について、景品表示法第8条第1項の規定に基づき、1972万円の課徴金納付命令を発出しました。

目次

株式会社ECホールディングスに対する景品表示法に基づく課徴金納付命令について

違反行為者の概要

名 称 株式会社ECホールディングス(法人番号 2011001046558)

所 在 地 東京都目黒区青葉台三丁目1番19号

代 表 者 代表取締役 井関 貴博

設立年月 平成18年2月

資 本 金 7450万円(令和3年1月現在) 

 

違反行為の概要

ECホールディングスは自社サイトで「黒髪応援キャンペーン」「黒ゴマや昆布などの黒々ツヤツヤ成分をあなたも体感しませんか」など本品を摂取することで白髪が黒髪になる効果が得られるかのように示す表示をしていたが実際には根拠のないものであった。

 


たとえば平成30年10月1日から平成31年2月7日までの間に「Before」と付記された白髪が目立つ人物のイラスト及び「After」と付記された黒髪の人物のイラスト、並びに本件商品及び本件商品の容器包装の写真と共に、「いくつになっても、柔らかな印象で ゆるふわっ!華やか!」、「年齢のせい・・・じゃなかった!」及び「日3粒※飲むだけで私もこんなに変われた秘密のサプリ! ※3粒は目安です」と記載。 

 

「ブラックサプリEXをマンガで解説!」と題するマンガにおいて、「うそ!洋子にもそんなときがあったんだ?」「そうよ。でも生活習慣を見直して自分を磨きながらブラックサプリEXで栄養不足を補ったの!?」記載するなどあたかも、本件商品を摂取することにより、白髪が黒髪になる効果が得られるかのように示す表示をしていた。

 

表示について、消費者庁は、景品表示法第8条第3項の規定に基づき、ECホールディングスに対し当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたころ、同社は、当該期間内に資料を提出しなかったため措置命令が下されました。

 

その他誇大広告に該当する箇所も散見

  • 著名雑誌にも紹介
  • 医師監修

など誇大広告に該当する表示も複数個所記載していました。

・「うそ 現役のお医者さんが監修してるの!」「現役医師・サプリメントアドバイザー 服部達也先生が監修!」

・「現役医師が監修したサプリ」

・「全国のご愛飲の皆様からも喜びの声が届いています!」と題し、体験談として、「周りの変化にビックリです!今日サロンに行ったら『雰囲気が変わったんじゃないですか?』と聞かれました。ブラックサプリEXのおかげです。」

 

 

打消し表示もしていたが…

同社は自社ウェブサイトにおいて、「※使用感には個人差がございます」「※お客様のお声であり、実感には個人差がございます。効果・効能を保証するものではございません。」などの打消し表示をしていたものの、消費者が表示から受ける本件商品の効果に関する認識は打ち消し表示によって変わるものではないとの判断が下されました

 

つまり、打消し表示をつけても法規制から逃れるための免罪符にはならないということです。

 

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本件のポイント

本件はECホールディングスが合理的な根拠を示す資料を提出できなかったことに加えて誇大広告に該当する箇所も多く、悪質性が高いと判断されたため、措置命令に至りました。

景品表示法には「不実証広告規制」があり、不当表示(優良誤認表示や有利誤認表示)の疑いをかけられたとき、15日以内に当該表示の合理的な根拠を示せなければ不当表示とみなされ措置命令が出されます。

ただ、景品表示法の課徴金制度には減免制度も設けられています。

不当表示に当たると分かった段階で自主的に申告すれば、課徴金額が2分の1に減免されます(景品表示法9条)もちろん行政の調査が入る前に申告することが条件です。

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