ニキビは肌トラブルの代表格です。思春期の若者からストレス多難の大人までを悩ませる厄介なニキビですから、ニーズは高いでしょう。しかし化粧品でニキビ対策をうたう場合、薬機法による規制に留意が必要です。化粧品でニキビはどこまでいえるのでしょうか。
- 景品表示法務検定アドバンス(消費者庁、公正取引協議会主催)
- 食品の適正表示推進者(東京都福祉保健局主催)など
を所有する専業薬機ライターが解説します。
化粧品では洗浄による予防まで(洗顔料)
化粧品の効果効能表を見てみると「18.(洗浄により)ニキビ、あせにを防ぐ(洗顔料)」があります。つまり化粧品では予防まではニキビ訴求が可能です。
ただし”洗浄による”ものでなければならず、洗顔料に限られます。
医薬部外品(薬用化粧品)では予防まで
つぎに医薬部外品について見てみましょう。
医薬部外品では「 9.浴用剤」に「あせも・荒れ性・うちみ(打ち身)・肩のこり(肩の凝り)・くじき・神経痛・しっしん(湿しん)・しもやけ・痔・冷え症・腰痛・リウマチ・疲労回復・ひび・あかぎれ・産前産後の冷え症・にきび」とあります。
したがって承認を受けた範囲であればニキビの標ぼうは可能です。
薬用化粧品も種類によってはニキビへの効果の標ぼうが認められています。
具体的には以下の通りです。
「 3 .化粧水」…あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ
「 4 .クリーム、乳液、ハンドクリーム、 化粧用油」・・・あせも・しもやけ・ひび・あかぎれ・にきびを防ぐ
「 7 .パック」…にきびを防ぐ
「 8 .薬用石けん(洗顔料を含む)」…<殺菌剤主剤のもの>「体臭・汚臭及びにきびを防ぐ」<消炎剤主剤のもの>「皮膚の清浄、にきび、剃刀まけ及び肌荒れを防ぐ」
医薬部外品では、承認の範囲内であればニキビの標ぼうは可能です。ただし医薬部外品でも改善表現は認められません。あくまでも予防までです。
ルールを守ってホワイトな訴求を
ニキビは男女問わず幅広い層からのニーズがあるビッグワードです。しかし化粧品や医薬部外品で治療・改善表現を使うことは薬機法上、認められません。「ニキビ」は毎年摘発例も多いですから、訴求の仕方には十分注意が必要でしょう。