化粧品や医薬部外品で「敏感肌専用」「抜け毛専用」といった表現をよく見かけます。「○○専用」のフレーズは症状に悩む人への訴求力は強そうですが、薬機法上認められるのでしょうか。
- 景品表示法務検定アドバンス(消費者庁、公正取引協議会主催)
- 食品の適正表示推進者(東京都福祉保健局主催)など
を所有する専業薬機ライターが解説します。
化粧品で「○○専用」は不可
「敏感肌専用」等の用法用量についての表現は、特定の肌向けであることを強調することで効能効果又は安全性など事実に反する認識を得させるおそれがあるため、認められません。
化粧品等の適正広告ガイドラインでは次の通りに規定しています。
E4 「○○専用、○○用」等の表現
「〇〇専用」等の表現の中には、特定の用法用量(例えば「敏感肌専用」)だけでなく、特定の年齢層、性別(例えば「子供専用」「女性専用」など)、特定の効能効果(例えば「抜け毛専用」「ニキビ専用」など)を対象としたもの等がある。
これらの表現は、化粧品等の広告の表現としては好ましくないので、承認を受けた名称である場合、及び化粧品の種類又は使用目的により配合の制限がある場合(F6.2)等以外は原則として使用しないこと。
なお、「○○専用」の表現ではなく、使用感や使用方法等から判断して特定の年齢層、性別等が対象である「○○用」、「○○向け」等の表現は差し支えない。
(化粧品等の適正広告ガイドライン【2020年版】)
- 特定の用法用量(「敏感肌専用」など)
- 特定の年齢層、性別(「子供専用」「女性専用」など)
- 特定の効能効果(抜け毛専用」「ニキビ専用」など)
を対象とする表現は化粧品等の広告として好ましくないので、原則として使用しないことと明記されています。
化粧品や医薬部外品の広告では「○○専用」の表現ではなく、
- 「○○用」
- 「○○向け」
の表現を使わなくてはなりません。
OK表現とNG表現
OK表現
「○○用」「○○向け」
- 敏感肌用
- 乾燥肌用
- 子供用
- 女性向け
特定部位にしか使用しないことが明白な場合も「〇〇専用」も可能
「○○専用」が禁止されている理由は「効能効果又は安全性など事実に反する認識を与えるおそれがあるため」です。
特定部位にしか使用しないことが明白な化粧品などの場合は、事実に反する認識を与えるおそれがないため「○○専用」の表現も認められます。
(例)爪専用(ネイル、ネイルリムーバー等)敏感肌
安全性の観点から「洗い流し専用」とするのもOK
また化粧品の成分が肌に残留すると危険な場合、「洗い流し専用」と表記するのも可能です。
例)拭き取り専用、洗い流し専用(クレンジングオイル)
NG
用法用量を特定した表現
- 敏感肌専用
- 混合肌専用
- 仕事を休めない人専用
- 朝専用
効能を特定した表現
- 抜け毛専用
- 肌荒れ専用
- ニキビ専用
性差を特定した表現
- 女性が使わなくてはなりません
- 男性が使うとより効果的
など性差を特定した表現は認められません。ただ、「メンズコスメ」という言葉も使われていますから、性別を表記することそのものは不可ではないと考えられます。
認められた効能を逸脱する表現
「○○専用」以外の表現でも認められた効能の範囲をこえた表現は不可です。
- 女性特有の抜け毛に効果的な育毛剤
ルールを守ってホワイトな訴求を
薬機法では効能効果や安全性について誤認を与えるおそれのある表現を規制しています。そのため「○○専用」は原則認められません。
Life-lighterでは”好かれて売れる訴求”をモットーに薬機チェックや薬機ライティング、薬機コンサルなどを承っています。
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