未承認医薬品販売で健康食品会社「メリーマート」社長らが逮捕

 2026/2/10、健康商品販売会社「メリーマート」の社長らが薬機法違反(未承認医薬品販売(法第24条))で逮捕されました。

目次

違反行為の概要

2026/2/10、健康商品販売会社「メリーマート」代表の五条俊明容疑者と店舗責任者ら計3人が薬機法違反などの疑いで逮捕されました。

逮捕されたのは、健康食品販売会社メリーマートの社長 五条明容疑者と取締り役の炭治吉義吉春容疑者ら男3人です。

昨年4月に「催眠商法」を使って高齢者らに「瞬芽ブドウ種子iGS」という名称のサプリメントを「食べる抗がん剤」などとうたって、計13箱を計約26万円で販売したとのこと。

メリーマートの説明

メリーマートはHPで以下のように説明しています。

本件につきましては、現在、関係当局による調査が行われており、弊社といたしましても事実関係の確認を進めております。
調査には誠実に対応するとともに、必要な協力を行ってまいります。

なお、現時点におきまして、お客様への商品提供やサービスのご利用に直ちに影響が生じるものではございません。
安心してご利用いただけるよう、販売方法や商品説明の体制につきまして、改めて点検・見直しを行っております。

弊社はこれまでも法令遵守を基本方針として事業を行ってまいりましたが、今回の件を重く受け止め、より一層、安心して商品をご利用いただける環境づくりに努めてまいります。

未承認医薬品販売(薬機法第24条)とは

「未承認医薬品販売」とは、承認されていない医薬品や、医薬品的な効能効果をうたった健康食品などを販売する行為を指します。

薬機法第24条は「無許可医薬品販売の禁止」を定めており、許可を受けた薬局や医薬品販売業者以外が薬品を販売、授与、またはその目的で陳列・貯蔵することを禁じています。 た

とえ「健康食品」や「サプリメント」の名目で販売していても、病気の治療や予防に効果があるかのような説明(「がんに効く」「食べる抗がん剤」など)を加えて販売した場合、その商品は法律上「医薬品」とみなされます。その結果、未承認の医薬品を無許可で販売したとして、薬機法違反に問われることになります。

対象行為

具体的に違法となるのは、以下のような行為です。

無許可での販売・貯蔵:都道府県知事の許可(医薬品販売業許可)を得ずに、医薬品を販売・授与したり、その目的で商品を陳列・貯蔵したりすること。

未承認医薬品の取り扱い:国内で医薬品としての承認を得ていない製品(海外製品含む)を、日本国内で医薬品として販売すること。

罰則

未承認医薬品販売(薬機法第24条)の罰則は3年以下の拘禁または300万円以下の罰金(法人の場合は1億円以下の罰金です。違反行為によって得た利益の一部を国庫に納める「課徴金制度」の対象となる場合もあり、売上額の4.5%が課されるリスクもあります。

薬機法ではなぜ未承認医薬品の販売が禁止されているのか

では、そもそもなぜ薬機法では未承認のものを医薬品として売ることは規制されているのでしょうか。そこには、消費者の健康への影響が関係しています。

  • 医薬品の有効性・安全性を確保するため
  • 消費者が治療の機会を逃すことを防ぐため

①医薬品の有効性・安全性を確保するため

ひとつめの理由は、医薬品の有効性や安全性を確保するためです。

日本では、医薬品として販売するためには、厚生労働省の承認を受ける必要があります。

厳格な審査(成分の安全性、効果の科学的検証、品質管理など)を通過した商品だけを「医薬品」とみなすことで、有効性や安全性を確保するわけです。

そして、医薬品的な効果を「目的」とするものは、すべて薬機法上は「医薬品」に分類されます。

たとえば、サプリは医薬品ではありません。

しかし、医薬品的効能をうたった瞬間、そのサプリは医薬品的な効果を「目的」としていることになり、薬機法上は「医薬品」として扱われます。

けれども、サプリは厚生労働省の承認を受けていません。厚生労働省の承認を受けていないサプリを販売すると未承認医薬品販売(薬機法第24条)となるわけです。

②消費者が治療の機会を逃すことを防ぐため

もう一つの理由は、消費者が治療の機会を逃すことを防ぐためです。

適切な治療を受ける機会を逃してしまう恐れがあるからです。

実際には効果のない商品を「効果がある」と信じて使用し続けることで、患者が本来受けるべき適切な医療を受ける機会を逃し、病状が悪化するおそれがあります。

このように、未承認医薬品販売は人命に関わる重大なリスクをはらんでいるため、法律で厳格に禁止されています。

橋本の考察

未承認医薬品販売(薬機法第24条)に関しては、取締が厳しく、違反が発覚した場合刑事処分が下るケースが多いです。昨年も何件かありました。

他方、未承認医薬品広告(薬機法第68条)は違反も野放し状態です。もっと取り締まってほしいですね。

橋本 駿
消費者庁の誤りを指摘した薬機法の専門家
【この記事の著者】
薬機法や景品表示法などの専門家。NTTDocomoやハウス食品、富士薬品など大手企業との取引実績多数。
2023年には消費者庁の公的文書の誤りを指摘・改善、2024年にはわかさ生活に薬機法広告の専門家としてインタビューを受ける。
現在は専業薬機法ライターとして記事制作や表現のチェック、広告に関するコンサルティング、法務研修、講演活動などをおこなう。
消費者庁・公正取引協議会の「景品表示法務検定アドバンスクラス(合格者番号APR22000 32)」や東京都福祉保健局の資格を有する。その他薬機法関連の民間資格ももつ(薬事法管理者資格など)。

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