いいかえ例付|薬機法(薬事法)上化粧品で「細胞」はNG!理由を解説

「細胞に働きかける」「ヒト幹細胞由来」…化粧品の広告で非常に多く見受けられるフレーズです。しかし化粧品で「細胞」は基本的に薬機法上認められません。

薬機法の専門家 橋本 駿

化粧品や医薬部外品で化粧品の広告では、細胞に関する表現は原則NGです。とくに「幹細胞コスメ」や「細胞に働きかける」など、効能を示唆する表現は薬機法違反になります。ただし、「リンゴ果実培養細胞エキス」など成分名や科学的に立証された事実としての説明ならOKです。訴求の際は「角質層まで」「なかから」など抽象的な表現を使い、肌表面の範囲にとどめるのがポイントです。

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細胞表現が認められない理由といいかえ表現の考え方について、景品表示法務検定アドバンス(消費者庁、公正取引協議会主催)食品の適正表示推進者(東京都福祉保健局主催)などを所有する専業薬機ライターが解説します。

目次

薬機法(薬事法)とは

薬機法(薬事法)とは、医薬部外品や化粧品などに関するルールを定めた法律です。

正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。

2017年、内容の一部改正とともに、名称も「薬事法」から「薬機法」に変更となりました。

化粧品や健康食品で医薬品的な効果はうたえない

薬機法(薬事法)では、医薬品でないものが医薬品のような効果効能(改善、治る、筋力アップなど)をうたうことや、安全性や効果効能を保障する表現(副作用はありません、安心です、必ず効きます)などを禁止しています。

薬機法(薬事法)で禁止される表現の例

医薬品でない商品の医薬品的効果

  • 化粧水で「シワ改善」
  • サプリメントで「肝機能障害が治る」
  • 育毛剤で「発毛」

安全性や効果効能を保障する表現

  • 絶対に安全な商品です。
  • 確実に効きます。
  • 副作用はありません。

化粧品で「細胞」は不可

薬機法では医薬品でないものについて医薬品的な効果効能をうたうことを禁じています。化粧品に関しては原則化粧品の効果効能表56の範囲を超えた表現は認められません

「細胞」の訴求は化粧品の効果効能56の範囲を超えるので基本的にはNGです。

細胞の表現について、化粧品広告ガイドライン【2020年版】は「E9「細胞」等の表現」のなかで次の通り規定しています。

「E9「細胞」等の表現」

細胞レベル等(角質層を除く表皮、基底層、真皮、皮下組織、遺伝子等を含む)の表現においては、化粧品等の定義や効能効果の範囲を逸脱することになるので行わないこと。

化粧品等の適正広告ガイドライン【2020年版】

細胞レベル等(角質層を除く表皮基底層、真皮、皮下組織、遺伝子等を含む)の表現は行わないことと明記されています。

他方で、ガイドラインは配合成分の名称や由来の説明として「細胞」等を表現する場合は、客観的、科学的に認められている事実の範囲であれば差し支えないとしています。

つまり配合成分の表示、もしくは成分の説明として用いる場合は客観的、科学的に立証されている範囲内であれば細胞表現も認められるということです。もっとも前提として事実であることは求められます。

OK表現とNG表現

以上を踏まえ薬機法上、どのような表現であれば可能で、どのような表現が不可になるのか、見ていきましょう。

NG表現

次の表現はすべてNGとなります。

「細胞」のNG表現例

  • 幹細胞コスメ
  • ヒト幹細胞美容液
  • コスメ細胞
  • ○○細胞に着目した化粧品
  • 細胞由来の力
  • 細胞レベルから美しく
  • 細胞が生き生きと目覚め
  • 細胞に力を与える
  • 美細胞に働きかける
  • 幹細胞コスメ

配合成分の名称や説明以外で細胞の文言を使うと基本的にアウトです。「ヒト幹細胞美容液」「幹細胞美容液」などはよく見られますが、違反となります。

おそらく違反件数が多すぎて取り締まりが追い付いていないからでしょう。

OK表現

OKのポーズする女

たとえば以下の表現は認められます。

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橋本 駿
消費者庁の誤りを指摘した薬機法の専門家
【この記事の著者】
薬機法や景品表示法などの専門家。NTTDocomoやハウス食品、富士薬品など大手企業との取引実績多数。
2023年には消費者庁の公的文書の誤りを指摘・改善、2024年にはわかさ生活に薬機法広告の専門家としてインタビューを受ける。
現在は専業薬機法ライターとして記事制作や表現のチェック、広告に関するコンサルティング、法務研修、講演活動などをおこなう。
消費者庁・公正取引協議会の「景品表示法務検定アドバンスクラス(合格者番号APR22000 32)」や東京都福祉保健局の資格を有する。その他薬機法関連の民間資格ももつ(薬事法管理者資格など)。

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