添加物は本当に危険?【コンビニ弁当を80年間毎日食べても害なし】

最近スーパーやコンビニで「無添加食品」を多く見かけるようになりました。

「添加物って体に悪そうなイメージがあるから、いつも無添加のものを選んでいる」なんて人も多いのではないでしょうか。

しかし他方で「添加物は危険ではない」とする意見もあります。実際のところ添加物は危険なのでしょうか、安全なのでしょうか。東京都福祉保健局公認「食品の適正表示推進者」所有の筆者が解説します。

目次

食品添加物は安全!その論拠を添加物が危険といわれる理由と共に解説

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そもそもなぜ「食品添加物=危険」といわれているの?

昨今、コンビニやスーパーでは無添加と銘打った食品がもてはやされるようになり、添加物使用の商品は忌み嫌われています。ではそもそもなぜ「食品添加物は危険」といわれるようになったのでしょうか。

60年代に食品添加物による病気が流行した

今からさかのぼること60年ほど前、高度成長期のころに水俣病をはじめ、四日市ぜんそくなどの病気が大流行しました。

この病気の原因が食品添加物とされ、「食品添加物=危険なもの」との認識が広まり、食品添加物を食べると健康を害するのではないかと漠然と考えられるようになったわけです。

食品添加物が安全な理由1:現在の食品添加物はすべて国が指定したなもの

チョイス

しかし平成7年、厚生省(現厚生労働省)が食品衛生法を改正し、食品添加物についての品質や安全性の規定を定めました。そこから数十年、健康被害は報告されていません。

現在法律で使用が許可されている食品添加物は安全性試験で安全性が認められたもののみで、原則としてすべて厚生労働大臣が指定したものです。

食品衛生法では、食品添加物を

  • 「指定添加物」
  • 「既存添加物」
  • 「天然香料」
  • 「一般飲食物添加」

の4つに分類しています。(以前は合成添加物だけが食品添加物とされていましたが、法改正(平成7年食品衛生法の添加物表示の一部改正)により現在では天然、合成の区別なく食品添加物として扱います。)

<食品添加物の4分類>

・指定添加物
安全性と有効性を確認して国が指定した食品添加物リスト化され、品目が決めらています。(463品目)

・既存添加物
長年使用されてきた天然添加物としてリスト化され、品目が決めらています。(463品目)

・天然香料植物
動物を起源とする香料で、約600品目が例示されています。

・一般飲食物添加
一般に食品として用いられるものの添加物的な使われ方をされるものです。約100品目が例示されています。

令和2年現在、約1500種類の食品添加物が登録されています。

食品添加物が安全な理由2:食品安全委員会が摂取一日許容量(ADI)を設定し管理している

工場

また内閣府の審議会などで、食品安全基本法に基づいて食品安全管理をしている組織、「食品安全委員会」が動物実験などによりADI(Acceptable Daily Intake=摂取一日許容量)を設定し、食品添加物の安全性の評価をおこなっています。 

この基準に基づいて食品に用いる食品添加物の量が決められるのですが、実際に使用される添加物の量は基準値より少ない場合が多く、その食品を食べ続けたとしても、安全性に問題はないのです。

食品添加物の役割と種類

1、食品の栄養価を維持、腐敗、変質その他の化学変異等の防止

  

食品の質は時間がたつにつれて栄養素が失われたり腐敗したり変質したりして、品質が落ちてしまいます。
そこで食品の質を保つために添加物が使われます。

・食品の微生物による腐敗・変敗を防ぎ、食中毒のリスクを下げる
保存料(ソルビン酸)、安息香酸など

・食品や原材料などに付着している微生物を殺菌する
殺菌料

・惣菜など保存期間の短い食品の品質を保持する
日持ち向上剤

・食品中の油脂などの酸化を防ぎ、変色・変臭や発がん性の可能性がある過酸化物などの生成を抑える
酸化防止剤

・果物などの輸送・貯蔵中のカビの発生を防ぐ
防カビ剤

2、食品の嗜好性の向上

ハンバーガーやはり食品は味や香りが大事です。”見た目3割”といわれるように外観も重要です。

そこで食品の味を整えたり香りを加えたりする添加物が使われます。

・食品の味・香りを整える

甘味料、酸味料、苦味料、香料

・食品の見た目を整える
着色料、カラメル色素

3、栄養価の補填・強化

上がる

調理・加工中に原材料の栄養成分が減ることがあります。
そこで栄養成分を補填したり、強化する添加物が使用されます。

・栄養成分を補填・強化する

ビタミン、ミネラルアミノ酸類

4、その他製造・加工の工程で必要なもの

添加物

単純に製造の過程で必要な添加物もあります。

ガムやゼリーなどは天然に存在するものだけでは製造できないのは想像がつきますよね。

・膨らませる(膨張剤)

ベーキングパウダー、イーストパダー、重曹

・固める、ゲル化させる(ゲル化剤)

ゼラチン

・乳化させる(乳化剤)

グリセリンエステル、ショ糖脂肪酸エステル

危険なのはむしろ無添加の方?

このように添加物はいろんな面で、私たちの安全で快適な”食”を支えてくれています。ところが無添加食品は、添加物の恩恵を受けられません。その意味で「無添加=安全」とはならないのです。

無添加食品は品質の劣化が進みやすい

たとえば

・保存料

・防腐剤

・日持ち向上剤

など腐敗の進行を遅らせる添加物使われないと、食品はすぐに傷んでしまいます

・防カビ剤

・殺菌料

など、菌の繁殖を抑える添加物が用いられていない食品は、口にする頃には細菌だらけかもしれません。

「無添加」と聞くとなんだか健康に良さそうなイメージがしますが、無添加食品は品質の劣化スピードが早く、細菌も繁殖しやすいわけです。このように考えると、無添加食品のほうがむしろ危険という見方もできます。

”無添加”は替わりの物質が用いられている可能性も

「添加物不使用」のものは、別のもので補っている可能性があります。

たとえばお弁当やお惣菜など、日持ちさせる必要がある食品で「防腐剤不使用」としている場合、防腐剤の替わりになる別の物質を使用しているかもしれません。

得体の知れない薬剤を使われているとしたら、そっちのほうが怖いですよね。

ただし有害性のあるものも|危険な添加物とはどんなもの?

危険

とはいえ添加物には危険なものもあるのも事実です。

ただ危険な添加物一覧というものは存在しません。前述のとおり現在使用可能な食品添加物はすべて厚生労働省から指定されたものですが、指定の方法はポジティブリスト方式(※)がとられ、有害なものがリスト化されているわけではないからです。

そこで現時点で危険性が判明している添加物の一部を紹介します。

※原則として禁止されている中で、例外として許されるもの(=ポジティブ)を列挙する方式。

防かび剤(OPP、TBZ、イマザリルなど)

・OPP

・TBZ

・イマザリル

すべて農薬の一種です。

OPPは発がん性、TBZは胎児への先天性障害、イマザリルは繁殖と行動発達に影響を与えることが分かっています。

バナナや輸入柑橘類など、輸送中にカビが発生するのを防ぐために防カビ剤が用いられます。

【添加されている食品例】 

・バナナ

・輸入オレンジ

・グレープフルーツ

亜硝酸ナトリウム(亜硝酸Na)

発色剤です。
防腐剤としても用いられます。

肉や魚の「アミン」と反応して発がん性のある「ニトロソアミン」を生成することが分かっています。ハムやソーセージ、かまぼこなど加工食品などによく使われる添加物です。

【添加されている食品例】

・ウインナー

・ハム

・たらこ

・かまぼこ

安息香酸ナトリウム(安息香酸Na)

危険な添加物として有名な合成保存料です。
ビタミンCと反応して発がん物質「ベンゼン」を生成します。

清涼飲料水栄養ドリンク、シロップなどに使われます。

【添加されている食品例】

・炭酸ジュース

・エナジードリンク

・シロップ

タール色素(赤色2号、青色2号など)

・赤色2号

・赤色10号

・青色2号

など全部で12種類あります。発がん性のあるものも確認されています。

EUでは、6種のタール系色素が子供の発達異常と関連するとして、メーカーに使用を自主規制するよう国が勧告しています。タール系色素は蒲鉾やソーセージなどの練り物、駄菓子に使用されることが多いです。

【添加されている食品例】

・蒲鉾類

・漬物類 

コチニール色素

合成着色料です。原料のエンジ虫由来のタンパク質がアレルギー症状の原因になるとされています。駄菓子や漬物類に添加されます。

【添加されている食品例】

・漬物類

・お菓子

合成甘味料(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなど)

・アスパルテーム

・スクラロース

・アセスルファムK

・サッカリン

砂糖の約200倍の甘みを持ちます。

日本で許可されているのは以上4つにネオテームを加えた5種類のみです。

ゼロカロリー食品ってカロリーゼロのはずなのになんで甘いの?」と思ったことはありませんか?

ゼロカロリー食品が甘く感じられるのは甘味料を使っているためです。

しかし合成甘味料は動物実験で白血病やリンパ腫などとの関連性が報告されていて、安全性が担保されていません。

【添加されている食品例】

・低カロリー飲料

・チューインガム

・ゼリー

ナイシン

保存料です。
ナイシンは抗生物質の一種で、体に有害な細菌を殺す働きをしてくれますが、一方では腸内細菌などの常在菌をも減少させてしまう恐れがあります。


ナイシンを摂取することで耐性菌を発生させるリスクもあるとされています。チーズやソースなどに使用されます。

【添加されている食品例】

・チーズ

・ソース

・ドレッシング

グリシン

日持ち向上剤で、アミノ酸の一種です。

グリシンは体内に存在しますが、それとは別物で化学合成されたものを指します。安全性が立証されていません。

ラット実験では、筋緊張の消失と一過性の完全麻痺が起こったという報告もあります。

コンビニの弁当やサンドイッチおにぎりなど、あらゆる食品に使われています。

【添加されている食品例】

・おにぎり

・弁当

有害なものも大量摂取しない限りは健康リスクはない

セーフ アウト

有害性のあるものも、健康リスクがあるのは大量摂取した場合に限られます。通常摂取の範囲内では健康リスクはありません。そしてこの大量にというのは“一度に多量を摂取”することを指します。

食品添加物は危険ではないが大量摂取は健康リスクの可能性も

添加物はわたしたちが快適な「食」を営む上でなくてはならない存在です。危険ではありませんが、大量摂取は健康に害を及ぼす可能性があります。

とはいえなににでも適正量があるわけで、たとえば砂糖や塩なども過剰摂取は有害になるわけです。
食品添加物の役割や種類を把握し、適切に取り入れていくのがよいでしょう。

★豆知識★野菜や果物にも天然の化学物質が含まれている

「化学物質」というと人工的に作られたものを連想しがちですが、ほうれん草や白菜にも発がん性のある化学物質の「亜硝酸ナトリウム」が含まれています。もちろん、通常摂取ではほうれん草や白菜が原因でがんになることはありません。ほうれん草でがんになるには、一度に2tトラック3台分摂取することが必要です。

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