30代後半になると、徐々に白髪が増えてきます。
ちまたでは「白髪は抜くと増える」「一旦白髪になったら二度と黒髪にはならない」といった話もまことしやかにささやかれていますが、実際のところ、どうなのでしょうか。
今回は白髪にまつわる都市伝説の真相を食品の適正表示推進者(東京都福祉保健局主催)の観点から解き明かしていきます。
そもそも白髪はどのようにして生える?

シワやシミと肩を並べる老け見え原因、白髪。老けてみえるだけでなく、不潔で、みすぼらしい印象さえ与えてしまいます。そもそも白髪はどうやってできるのでしょうか。
髪の黒色の元となるのはメラニン色素

髪の黒色はメラニンの色です。髪の毛は、頭皮の奥にある「毛包」と呼ばれる場所でつくられます。毛包の根元にある「毛母細胞」が細胞分裂し角質化したものが髪の毛です。
毛母細胞の周りには色素を作り出す「メラノサイト(色素生成細胞)」があり、メラニン色素はここで作られます。
実は毛根のなかで作られた直後の髪は白色をしています。成長する過程でメラニン色素を取り込み、徐々に黒くなっていきます。
メラニン色素を作り出す際には「チロシナーゼ」が必要
色素細胞がメラニン色素を作る際必要となるのが「チロシナーゼ」です。
チロシナーゼは紫外線を浴びることで活性化する酵素で、シミやソバカスにも深く関係しているといわれています。
チロシナーゼが減少すると白髪になる
しかしチロシナーゼが何らかの原因で減少するとメラニン色素をうまく作り出せなくなり、白髪になってしまうのです。
白髪の原因にはチロシナーゼの減少の他、メラノサイトそのものの機能低下・消失があります。色素細胞の機能低下やチロシナーゼの減少がなぜ起こるかについては、正確なところは判明していません。
いずれにしても、「白髪は抜くと増える」は迷信ということになります。
次に「白髪になったら戻らないのか」について解説します。
結論から申し上げますと答えはNO「白髪になっても戻ることがあります。
白髪にもいくつか種類があります。
- 毛髪の根元から先端まで白い
- うねりや縮れを伴っている
- 毛髪の一部のみ白い
注目すべきは「毛髪の一部のみ白いパターン」です。一部だけ白く、根元は黒い状態の髪の毛が存在することは、何らかの原因でメラノサイトやチロシナーゼの機能が一時的に低下・消失したものの、後に再び機能を取り戻したことを表しています。
「一旦白髪になったら二度と黒髪にはならない」もまた迷信といえるのです。
現に、ストレスが原因で白髪が増えた人がストレス環境を取り除いた後、黒髪に戻るケースも少なくありません。
白髪の原因は?

白髪になってしまう原因には主に以下が考えられます。
- 加齢
- 遺伝
- 栄養不足
- 生活習慣の乱れ(睡眠不足や運動不足など)
- ストレス
- 頭皮の血行不良
- 喫煙
加齢

白髪の多くは老化、つまり自然現象によるものです。
歳を重ねるにつれて体内のあらゆる機能は低下していきます。メラノサイトの働きも低下し、髪に色を与えられなくなり白髪が増えてしまうのです。
栄養不足

黒髪を作り出す毛母細胞やメラノサイトが活発に働くためには、十分な栄養が必要です。特に大切なのがタンパク質、ミネラル、ビタミンB群といわれています。
遺伝

白髪は遺伝的な要素が強いといわれます。
10代で白髪が生えはじめるいわゆる若白髪の人もいる一方、50歳を超えても白髪がまったくない人も存在します。
親が若白髪に悩まされていた場合、子も若くして白髪が生えるケースも多いことなどから、白髪体質は遺伝すると考えられているのです。
ただし科学的に証明されているわけではなく、仮説の域を出ません。
生活習慣の乱れ(睡眠不足・運動不足など)
運動不足になると血流が滞り髪の成長、白髪の抑制に必要な栄養素が毛母細胞まで届きにくくなります。メラノサイト機能も低下し白髪が増えてしまいます。
睡眠不足も運動不足と同様、血行不良を起こします。睡眠不足は運動不足よりも細胞に与えるダメージや自律神経への影響が格段に大きく、身体全体を不活性化させます。
また睡眠中に分泌される成長ホルモンは毛母細胞やメラノサイトを含めたあらゆる体内細胞の活動を促進しますが、睡眠不足だとその恩恵を受けられません。
睡眠不足はもちろんストレスにもつながります。睡眠不足はトリプルパンチで白髪を促進してしまうわけです。
ストレス
ストレスと白髪は2つのかかわりがあります。
まずストレスで血行不良を起こすと、髪の発育やメラノサイトの活動に必要な栄養素が毛母細胞に十分に届かなくなります。するとメラニン色素を髪に与えられなくなり、白髪になっていきます。
また、メラノサイトはストレスに弱いと考えられています。
ストレスによって交感神経が活発になると、皮脂の分泌量が増えます。皮脂が酸素中の成分に触れると酸化して過酸化脂質になります。過酸化脂質が増えるとメラノサイトの機能が低下し白髪を招くのです。
過酸化脂質が毛穴に詰まると、薄毛や軟毛、うねり毛の原因にもなります。
頭皮の血行不良

頭皮の血行不良が原因で、白髪が現れる可能性も考えられています。
すべての細胞は摂取した栄養によって作られます。毛髪も例外ではありません。頭皮の血行が悪化すれば、頭皮に十分な栄養が行き届かずと白髪が現れるのではと指摘する声もあります。
喫煙

タバコを吸うことで、ニコチンなどの有害物質が体のなかに入り込みます。すると体内では有害物質を攻撃するために多量の活性酸素が発生します。
過剰な活性酸素は身体に悪影響を及ぼすので、抑制しなければなりません。活性酸素の働きを抑えるために、ビタミンCが大量に消費されるのですが、ビタミンCは毛髪の成長に重要な役割を果たします。
毛根はコラーゲンで覆われていて、髪の健康を保護する役割を担っていますがこのコラーゲンを生成するのがビタミンCです。喫煙によりビタミンC量が低下すると、髪は無防備な状態になり、メラニン色素の流出を招き、白髪につながるというわけです。
アメリカサイエンス誌によると、喫煙者は非喫煙者と比較して、白髪の発生率が4倍以上高いとの調査報告もあります。
白髪の予防法

ちまたではいろいろな情報が流れていますが、白髪の原因についてはまだまだ研究途上で、「確実にこれが効く」と断定することはできません。また加齢や遺伝に関しては、対策は不可能です。したがって現状では、加齢と遺伝以外の白髪の原因として考えられるものへの対策をすることが最善の予防法といえるでしょう。
【白髪への対策として考えられるもの】
- 栄養補給
- ストレス解消
- 良質な睡眠
- 適度な運動
- 頭皮マッサージ
栄養補給

今日から始められるのがバランスのとれた食事を心がけることです。
食事やサプリメントで黒い髮に大切な摂取しましょう。特に積極的に摂取したいのが以下の栄養素です。
<摂取すべき栄養素>
- タンパク質
- ミネラル
- 亜鉛
- アルギン酸
- ヨウ素(ヨード)
- ビタミンB群
- 葉酸
など
詳しくはこちら
ストレス解消

ストレスをため込まないようにしましょう。
現代社会を生きる私たちにとってストレスを一切感じないというのは無理な話かもしれませんが、たまには休暇をとり、リフレッシュすることです。自分が没入できること、好きなことならなんでもいいですがやけ食いはNGです。運動して汗を流したり、友人と遊んだりしてストレス発散しましょう。
良質な睡眠

良質な睡眠は健康な毛髪に欠かせません。
なお「ゴールデンタイムに寝るとよい」という風説が流れていますが、近年の研究で重要なのは寝る時間帯ではなく、質であることが分かっています。つまり睡眠のゴールデンタイムは存在しません。詳しくはこちら
適度な運動

適度な運動も大切です。
体を動かすと血流が促されますし、程よく疲労すると良質な睡眠にも繋がります。ストレス解消にもなるでしょう。ただ、あまりにも激しい運動を長時間続けると紫外線によるダメージなど、また別の問題が生じます。一日30分~1時間程度にとどめておくのがよいでしょう。
頭皮マッサージ

頭皮マッサージをおこなうと頭皮が柔らかくなります。
頭皮の血行が促進し、健康な毛髪が生えやすくなります。最新の研究では、頭皮刺激そのものが発毛に効果的であることが判明しています(詳しくはこちらの記事)。
ヘッドスパの専門店にいくのも良いですが、自分で頭皮マッサージすることも可能です。やり方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
すでにある白髪への対策はどうすればいい?

では、生えている白髪に対する対策はどうすればいいのでしょうか。
【既に生えている白髪への対処法】
- カット
- 染める
- 白髪を活かすヘアスタイル
カット
数本程度の白髪なら切るのが手っ取り早いでしょう。
染める
数本程度ならカットで間に合いますが、数十本にもなると難しくなってきます。その場合白髪染めなどでカラーリングして対処するのがおすすめです。
白髪染め専用のものを選ぶようにしましょう。
白髪を活かすヘアスタイルにする
いっそのこと白髪を活かすヘアスタイルも手です。
白髪には白髪の良さがあります。近年は若者でもあえて白く染めている人もいるくらいです。
- 髪を染めない潔さが男らしい
- むしろ渋い
- 貫禄がある
など意外と評価も悪くありませんよ。
<ちょっと一息>
栄養不足はうねり毛の原因!
十分な栄養素摂取ができないと白髪だけでなくうねり毛の原因にもなります。
恵まれない国に住む人々には白髪やうねり毛の人が多いですよね。あれも実は栄養不足が関係しているのです。
あきらめないで!黒い髪は取り戻せる
「一旦白髪になったら戻らない」と思っている人は多いですが、白髪の原因を突き止めれば、黒髪に戻るケースは少なくありません。ただ、白髪になった原因がどのようなものであれ、黒い髪になるには時間がかかります。すぐに黒くしたい場合、白髪染めを使うのも手段のひとつです。
コメント
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