薄毛の原因には様々ありますが、その9割以上が、AGA(男性型脱毛症)といわれています。AGA治療は近年の研究が進み、効果の証明された治療薬も多く出ています。しかし「種類が多くてどの薬を選べばよいのか分からない」「副作用が心配」といった不安から、AGA治療に踏みだせない方も多いのではないでしょうか。
本稿では
- AGAの原因やメカニズム
- 治療薬の違いや選び方、副作用など
について
- 日本皮膚科学会ガイドライン2017年版
- 研究論文
- 臨床データ
などを踏まえ、食品の適正表示推進者(東京都福祉保健局主催)などを所有する専業薬機ライターが解説します。
AGAはどうして起きるの?

男性の悩みの上位に常に入ってくるのが、薄毛です。薄毛に悩む人の内、9割近くがAGAといわれています。AGA治療薬について理解するためににはAGAがどのようにして発生するのかを知っておきましょう。
AGAの主な原因はDHT(ジヒドロテストステロン)

体内には「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモンがあります。テストステロンは筋肉を発達させたり、体毛を増やしたり濃くしたり皮脂の分泌を促したりするホルモンで、それ自体が直接、男性型脱毛症の原因とはなりません。
しかしテストストロンが毛乳頭細胞に運ばれ、「2型5-a還元酵素」に結びつくと、悪玉ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)に変換されます。すると、毛乳頭細胞にある受容体に結合し脱毛指令因子「TGF-β」を産生させます。
結果、毛母細胞の分裂・増殖を抑制、ヘアサイクルに悪影響を及ぼし、薄毛を引き起こすのです。
AGA治療薬の種類
AGA治療薬は、薬品名(成分名)と商品名を一緒くたにして解説されることが多いです。
たとえばプロペシアは商品名であり成分名ではありません。プロペシアに含まれる成分がフィナステリドです。他方でミノキシジルは薬品名ですが商品名としても使われ、このことがAGA薬の理解を難しくしているといえます。
そこで本章では薬品名(成分名)と商品名を区別しながらAGA治療薬について解説していきます。
厚生労働省がAGA治療薬として承認している薬品(成分名)

2020年9月24日現在、厚生労働省に認可されているAGA治療薬には大きく
- ミノキシジル(発毛・攻めの薬)
- フィナステリド(予防・守りの薬)
- デュタステリド(予防・守りの薬)
の3つがあります。
ミノキシジル(リアップ、ロゲイン、リグロなど)

ミノキシジルは発毛を促す、攻めのAGA治療薬です。
ミノキシジルは厚生労働省から認可されていますが、事前の検査と医師の指導のもとで服薬することが重要です。
【作用機序】
毛乳頭細胞を刺激して毛母細胞の増殖を促す成長因子の分泌を促進し、乱れていたヘアサイクルを正常化していきます。ミノキシジルには外用薬と内服薬があります。
内服型は体内への吸収率が高く、外用薬よりも高い発毛効果が期待できますが、その分副作用も強く、注意が必要です。
【ミノキシジルの商品】
- リアップ
- ロゲイン
- リグロ
など
フィナステリド

フィナステリドは脱毛を抑える、守りのAGA治療薬です。
2005年10月に厚生労働省の認可を受け、フィナステリド製剤のプロペシア錠が、同年12月に初めて日本で販売されることになりました。
今では最もスタンダードなAGA治療薬のひとつとして、国内外で使用されています。
【作用機序】
Ⅱ型5αリダクターゼがジヒドロテストステロンに代わるのを抑制し、脱毛を予防します。
【フィナステリド製剤】
- プロペシア
- フィンペシア
など
デュタステリド

脱毛を抑える守りのAGA治療薬です。
日本では「アボルブ」として前立腺肥大の治療薬として用いられていましたが、AGA患者に対してフィナステリドと同様の効果が見られたため、AGA治療薬としても開発・承認されました。
前立腺肥大症治療薬としては「アボルブ」、AGA治療薬としては「ザガーロ」という名前で処方されています。
【作用機序】
Ⅱ型5αリダクターゼがジヒドロテストステロンに代わるのを抑制し、脱毛を予防します。フィナステリドは主にⅡ型の5αリダクターゼを抑制する働きをするのに対し、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型のどちらも抑制すると考えられています。
デュタステリド製剤のザガーロはフィナステリド製剤のプロペシアよりも高い効果を期待できるとされているものの、使用実績が少なく副作用の発生頻度が若干多いとされています。
【デュタステリドの商品】
- ザガーロ
- デュタス
薬品名(成分名) | 商品名 | 作用機序 | 特徴 |
ミノキシジル(内/外服薬) |
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フィナステリド(内服薬) |
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デュタステリド(内服薬) |
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先発医薬品(新薬)とジェネリック(後発医薬品)

医薬品は「先発医薬品」と「ジェネリック(後発医薬品)」の2種類に分類されていることは多くの人がご存知でしょう。AGA治療薬にも、先発医薬品とジェネリックがあります。
では、両者はどう違い、なぜジェネリックが安いのでしょうか。AGA治療薬を選ぶうえでは、薬品とジェネリックの違いを知っておくことが重要です。
先発医薬品

先発医薬品とは最初に開発・承認・発売された医薬品を指し、新薬とも呼ばれます。10~15年の長い期間と数百億円もの莫大な費用をかけて研究され、認可を得るためには様々な臨床試験や審査で成分の有効性・安全性が確認されることが必要です。
先発医薬品は、発売後も一定の期間、有効性・安全性について確認する義務が開発企業に課せられます。
ジェネリック

ジェネリックは先発医薬品(新薬)と同じ有効成分で作られ薬機法に基づくさまざまな厳しい基準や規制をクリアした薬です。先発医薬品の特許が切れてからでないと製造販売できません。
先発医薬品に比べ承認を得るために必要な試験の数も少なく、臨床試験の代わりに生物学的同等性試験のデータを用いることが可能です。研究開発に要する費用が低く抑えられることから、薬価も安く設定されます。
先発医薬品とジェネリックの効き目は”同じとされている”が…
一般的にはとジェネリック(後発医薬品)は先発医薬品(新薬)と同等の効果があるとされています。ですが、実際は同等ではない可能性もあります。
そもそも効果が同じとする論拠は
- 「ジェネリックも国(厚生労働省)の厳しい審査をクリアしていること」
です。
審査の内容は公表されていませんが、米国では、ジェネリック医薬品の製造・販売の認可を受ける際、次の点を証明しなければならないことになっています。
・先発医薬品と剤形、分量、服用方法、品質、効能、適応疾患が同じこと
・服用後の血中濃度変化を24~36人の健康人で調べ、先発医薬品と80~125%の範囲で一致していること
日本でも、これに準じた基準があるとみられます。ですがたったこれだけの条件で先発医薬品とジェネリック医薬品に同等の効果があるとはとてもいえません。
ではなぜ薬局では「ジェネリックは先発医薬品(新薬)と同じ効果なのに安いんですよ」とジェネリックを推してくるのでしょうか。
それは、調剤報酬の算定でジェネリックを出す割合が高い薬局は、点数が加算される仕組みになっているからなんです。つまり薬局としてはジェネリックが先発医薬品(新薬)と同等の効果があろうがなかろうが、ジェネリックを売れば売るほど報酬をえられるわけです。
常識的に考えて、何百億ものコストと十数年の歳月をかけて開発された薬剤を、いくら後発だからといって簡単に真似できるはずがありませんよね。
とはいえ、継続が必要なAGA治療において、薬の安さは重要なポイントです。先発医薬品では経済的にキツイという人でも価格の安いジェネリックなら続けやすいでしょう。
参考:
AGA薬の値段や購入方法

続いて、AGA薬の値段や購入方法についてみていきましょう。
AGA薬の値段

AGA薬にそのものにかかる費用は、月7,000円~10,000円程度です。
先発医薬品の場合
【プロペシア】
5,000~7,000円程度
【ザガーロ】
9,000円~13,000円程度
【ミノキシジル】
5,000円~8,000円
内服薬(ミノタブ)は8,000~10,000円程度
外用薬(育毛剤)は6,000~8,000円程度
AGAクリニックやAGA専門の医療機関で治療を受ける場合は、これらに加えて診療代や治療費がかります。(AGA治療に必要な費用について詳しく知る)
ジェネリックの場合
【ミノキシジルのジェネリック】
5,000円~9,000円
- スカルプD メディカルミノキ5(アンファー株式会社・東和薬品株式会社)
- リザレックコーワ(興和株式会社・リョートーファイン株式会社)
- リグロEX5(ロート製薬株式会社)
- ミノアップ(リョートーファイン株式会社)
- ミノグロウ(大興製薬株式会社)
など
【プロペシアのジェネリック】
4,300~6,000円
- ファイザー(ファイザー株式会社)
- トーワ(東和薬品株式会社)
- サワイ(沢井製薬株式会社)
- クラシエ(大興製薬株式会社)
など
【ザガーロのジェネリック】
2020年9月24日現在、国内の正規ザガーロジェネリック医薬品は発売されていません。ただ一部には、2020年夏~秋にかけてザガーロの正規ジェネリックが発売開始されるとの見方もあります。
プロペシアの含有するフィナステリドと、ロゲインやリアップの含有するミノキシジルは併用による相乗効果が確認されています。
フィナステリドとミノキシジルはAGAガイドラインにおいて共に『A』評価で、単体でも効果が高いとされていますが、それぞれ効果や作用機序が異なります。
そのため、併用することで相乗効果が期待できるのです。片方しか使用していない方は併用を試してみてください。
AGA治療薬の購入方法は?メリットとデメリットも紹介

購入方法は大きく次の4つがあります。
- 国内通販
- 個人輸入
- 医療機関で処方を受ける
- 薬局で購入する
国内通販

処方箋を必要とせず、かつ国内商品のAGA薬はインターネットや雑誌を介して購入可能です。ミノキシジルのジェネリックなら通販で購入できますが、国内ではプロペシアやサガーロなどの医師の処方が必要な治療薬は通販で購入できません。
プロペシアの成分であるフィナステリドやザガーロの成分であるデュタステリドは日本では医療用医薬品に指定されていて、医師の診察なしには処方は受けられないと薬機法できまっているためです。したがってAmazonや楽天でも取り扱いはありません。
プロペシアやサガーロなども海外の通販サイトであれば購入可能です。
◎メリット
- 処方箋を必要としない国内商品を購入できる
- 周りに知られずに購入できる
◎デメリット
- 購入可能な商品が非常に限られる
- プロペシアやサガーロなど医師の処方が必要な治療薬は購入できない
個人輸入

国内の市販品は成分濃度が高いものはありませんが、海外では、高濃度の薬も流通しています。たとえばミノキシジルの濃度上限が5%までと定められていて、5%を超える濃度のものは、専門クリニックでの検査や医師の診断がなければ入手できません。
他方海外では高濃度のものも出回っています。個人輸入であれば医師の処方箋なしで安く、高濃度のAGA治療薬を買うことが可能です。
個人輸入代行業者サイトなどを通せば、比較的簡単に入手できます。けれども個人輸入にはそれ相応のリスクが伴うことを頭に入れておく必要があります。
1、健康上のリスク
国内販売品は薬機法によって厳しく品質チェックされていますが、海外品はノーチェックです。また医師の処方ではないため、健康上の問題が生じてもすべて自己責任となります。
2、成分や注意書を理解できないリスク
輸入商品は成分表記や添付文書が外国語表記なので、成分や使用上の注意が正しく理解できない可能性があります。
特に使用上の注意が分からないと効果を得られない可能性がありますし、危険です。
3、偽造品のリスク
偽造品が届く可能性もあります。たとえ偽造品であっても、国内でのチェックがないためそのまま個人の元に届いてしまいます。
厚生労働省のサイトにおいても、「個人輸入において注意すべき医薬品等」に、輸入発毛剤を指定し注意喚起しているので、個人での輸入には気を付けなければなりません。(※)
◎メリット
- 国内流通のない高濃度の薬も購入できる
- 安く購入できる
◎デメリット
- 安全性が担保されていない
- 成分や注意書を理解できない可能性もある
- 詐欺被害に遭うリスクも
医療機関で処方してもらう

医療機関で処方してもらうのが最も推奨されます。
いうまでもなく、医療機関のものは正規品なので、安全です。また自分の症状に最適な治療薬を処方してもらうことができます。
薄毛のタイプや進行度合は千差万別で、個々人ごとに適切な治療薬は異なります。専門知識を持たない素人が自己判断で薬を使った場合、思うような効果が得られないかもしれません。
医師に診断してもらえば、最適な治療薬を最適な分量、処方してもらうことができるので効果を得られる可能性が高くなります。
また日本には「医薬品副作用被害救済制度(※)」が存在し仮に副作用など健康被害が出た場合も病院で補償してもらうことが可能です。
参考:医薬品副作用被害救済制度|独立行政法人医薬品医療機器総合機構
◎メリット
- 安心
- 症状に合った処方をうけることができる
- 「医薬品副作用被害救済制度」の対象
◎デメリット
- 診察料がかかる
- 周囲の目が気になる(恥ずかしい)
薬局で購入する
市販されているものなら薬局で買えます。プロペシアやザガーロは薬局では販売されていませんが、ミノキシジルを含む外用薬であれば第一類医薬品として販売されています。
薬局やドラッグストアで購入した薬は、「医薬品副作用被害救済制度」の対象です。
◎メリット
- 市販品なら簡単に購入できる
- 「医薬品副作用被害救済制度」の対象
◎デメリット
- プロペシアやザガーロは購入できない
- 周囲の目が気になる(恥ずかしい)
どうやって選べばいい?失敗しないAGA治療薬の選び方

原則1抜け毛のタイプに合わせる
前述のように
- ミノキシジルは、発毛の促進をして薄毛を改善する作用
- フィナステリドやデュタステリドには脱毛を防いで薄毛を予防する作用
があります。
自分の脱毛タイプに合わせて選ぶことが大原則です。とはいえ自分の脱毛タイプがわからない場合もあるでしょう。また健康状態、治療中の病気、既往歴、アレルギーの有無などで選択肢が変わります。
自己判断で薬を選ぶのではなくクリニックなどで診療を受けたうえで選ぶことが大切です。
原則2価格で選ぶ
AGA薬を含むすべての発毛剤・育毛剤は継続使用することで効果を発揮します。いくら品質が良くなおかつ自分に合っていてる薬でも、値段が高くて継続できなければ効果は得られません。
使い続けられる価格帯のものを選ぶようにしましょう。
AGA治療薬の使用開始前に知っておきたいポイント

AGA治療薬について、よく聞かれる疑問について紹介します。
Q.耐性はあるの?
A.【現時点では耐性を裏付けるデータはない】
一般に薬剤を反復して投与し続けていると、体が薬に対して抵抗性を獲得し、効果が薄れてしまう、耐性と呼ばれる現象が起きることがあります。AGA治療薬の使用に関しても同様の現象が起こる場合がありますが、ミノキシジルやプロペシア、ザガーロに耐性があるという医学的データは今のところありません。
効果が感じられなくなったとしたら、他の抜け毛の誘発要因が増えたことが原因である可能性が高いです。たとえば
- 喫煙
- 飲酒
などです。タバコやアルコールの成分には血管収縮作用があり、頭皮に繋がる血管が細くなることで毛乳頭細胞に十分な栄養素や酸素が行き渡らなくなり、結果として、薬の効果を上回る脱毛がおこってしまうケースがあります。
耐性ができたと思い込み使用を中断する人がいますが、服薬をやめないことが大切です。AGA治療薬のなかでもミノキジジルが効果を発揮するには、血中濃度が一定に保たれる必要があり、継続的な使用が欠かせません。
逆に、むやみに服薬量を増やすのもNGです。副作用のリスクが増大するだけなので薬の増減については医師の指示を仰ぎましょう。
Q.飲み続けなければならないの?
A.【基本的には一生飲み続ける】
生きている限りAGAの原因物質は生成され続けるので服用をストップすると生産が抑制されなくなり再び脱毛が始まります。AGAの治療には、一生服用が必要です。
けれども価値観は人それぞれです。生涯フサフサでありたいと思う人は飲み続けれなければいけませんが若いうちにハゲるのは嫌だけど年をとって、相応の年代になったらもう諦めると思う人であれば、服用量を徐々に減らしていったり、服薬を止める選択肢もあるでしょう。
Q.経済的にきついんだけど…使用量を減らしてもイイよね?
A. 【ダメです】
AGA薬は医薬品であり、規定量を服用することで初めて効果が出ます。
たとえばミノキシジルは血中濃度が一定に保たれてこそ効果を発揮する成分です。自己判断で間引いたり使用量を減らすと効果が得られないことがあります。
副作用や経済的事情などで使用量を減らしたい場合、必ず医師に相談しましょう。
Q副作用はあるの?
A.【ある】
AGA治療薬を服用する前に必ず頭に入れておかなければならないのが副作用についてです。物事には裏と表があり、効果があれば副作用も存在します。たとえば以下のような副作用があります。
体毛が濃くなる・多毛症になる

典型的な副作用は、体毛が濃くなったり、多毛症になるものです。
たとえばミノキシジルはもともと高血圧治療薬として開発されたものの多毛の副作用がみられたため、薄毛治療薬として研究が進められたものです。ミノキジジルには血行を促進する働きがありますが、それが頭皮以外の部位にも作用してしまい、腕やすねの毛が濃くなってしまうのです。
しかしこれは裏を返せば、薬がきちんと効いている証拠ともいえます。気になる場合は、剃毛などで対応するか、医師に相談した上で、薬の量を減らすことを検討すると良いでしょう。
吐き気・めまい・倦怠感

ミノキシジルの服薬では血圧が下がることで、吐き気やめまい、倦怠感といった症状がでる場合もあります。
抜け毛が増える

AGA治療薬の服用で髪が抜ける場合があります。
ただこれは初期脱毛といい、ヘアサイクルの正常化に向かうプロセスで起こる脱毛であり、薬の効果が表れる兆しです。
個人差があるものの、通常初期脱毛は服用後3週間~1ヵ月程度で始まり、3か月程度で収まります。
【抜け毛を抑える治療で起こる初期脱毛】
抜け毛を抑える治療で使われる薬は「フィナステリド」と「デュタステリド」が配合されています。どちらもⅡ型5αリダクターゼの働きを阻害し脱毛の要因を減らすことよって、乱れていたヘアサイクルを正常化させ、薄毛を改善するものです。
このヘアサイクルの正常化に向かう期間に、初期脱毛が起こります。
【発毛を促す治療で起こる初期脱毛】
前述の通りミノキシジルは乱れていたヘアサイクルを正常化することにより薄毛改善するものです。ミノキシジルの効果が出てくると、毛根はそれまでの髪が生えないサイクルから新しいサイクルに入ろうとします。その過程で、脱毛が起きるケースがあります。
頭痛

AGA治療薬を服用すると、頭痛が起こる場合があります。ただいわずもがな頭痛はさまざまな理由で起こるため、AGA薬が原因とは限りません。
頭皮のかぶれ(外用薬)

外用薬では頭皮がかぶれるケースもあります。かぶれは痒みを伴いますが、かきむしってしまうと頭皮環境が乱れ、脱毛につながる可能性も否めません。
かぶれは薬剤アレルギーの症状でもあるため、酷い場合は医師に相談しましょう。
男性生殖器系の副作用(リビドー減少・勃起不全・射精障害)

フィナステリドなど男性ホルモンを抑制する薬の場合は性欲の減退や勃起不全、射精障害といった男性生殖器系の副作用が現れる可能性があります。
ただし市販後調査では、これらの副作用がみられた人は1%未満でした。
AGA薬使用上の注意

最後にAGA治療薬を使用する上での注意点を確認しておきましょう。
用法用量を守る
AGA薬は医薬品です。たくさん飲んだからといって効果が高まることはありません。
用法用量をきちんと守り、薬の増減に関しては医師と相談の上行うことが必要です。
使用に注意が必要ななケースも
【プロペシアは絶対に女性や子供に触らせない】
プロペシアは、男性ホルモンに作用して薄毛を改善する治療薬です。女性は体内の男性ホルモンが少ないため、プロペシアの成分が体内に入るとホルモンバランスが乱れるケースがあります。
ホルモンバランスの乱れは頭痛や吐き気などのさまざまな不調のきっかけとなるだけでなく、さらなる薄毛や抜け毛を引き起こしかねません。特に妊娠している場合プロペシアの成分が胎児に作用し、奇形に繋がるリスクがあるので妊婦はプロペシアとの接触を避ける必要があります。
プロペシアは経皮吸収され、触れるだけでも体内に成分が入る可能性があるので、女性と暮らしている男性は、絶対に触れさせないようにしましょう。
【ミノキシジルも注意が必要】
ご説明のように、ミノキシジルは血管拡張作用があり、服用に注意が必要な場合があります。以下の条件に該当する人は事前に医師に相談し問題がないか確認しましょう。
ミノキシジルの使用に注意が必要なケース
- 高齢者(65歳以上)の人
- 心疾患や肝疾患のある人
- 甲状腺機能障害(甲状腺機能低下症、亢進症)
- 高血圧、もしくは低血圧の人
【併用注意薬があるケースも】
ミノキシジル、フィナステリド、デュタステリドのいずれにも併用が禁止されている併用禁忌薬はありません。ただし注意が必要な併用注意薬はあります。
デュタステリド製剤のザガーロは次の薬を併用すると腎機能の低下などの症状を招くリスクがあり、要注意です。
【ザガーロの併用注意薬】
- プロテアーゼ阻害剤(リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、サキナビル)
- 一部のマクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン、テリスロマイシン、エリスロマイシン)
- クロラムフェニコール(抗生物質)
- 一部のアゾール系抗真菌薬(ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール)
- ネファゾドン(抗うつ薬)
成分を見ても分からないかもしれません。常用薬がある人は事前にAGAクリニックや皮膚科などで相談することが大切です。
参考:飲み合わせに注意!ザガーロの併用禁忌薬とは|EAST駅前クリニック
自分に合ったAGA治療薬なら薄毛改善は可能!

今はAGA治療薬の開発も進んで、効果が実証されているものも多く存在します。しかしAGA治療においてはそれぞれの状況に合った薬の服用が肝心です。
副作用の可能性なども考慮しながら使用していく必要があるので、AGA・薄毛治療専門クリニックの医師に相談しながら服用を続けていくことをおすすめします。
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