薄毛が気になりだして、AGA治療ってどんなだろう?と検索するとチラホラヒットする「AGA治療は効果がない」とする不穏な記事。AGA治療を検討してはいるものの、
「AGA治療って本当に効果があるの」「高いお金払って後悔したくない」との不安から治療に踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
本稿では
AGA治療を考えているけれど、効果があるのか心配
という方に向けて、AGA治療の効果をバイオテックで治療を受けた経験のある筆者が解説します。
目次
結論:AGA治療に効果はある!AGA治療を効果ないとする理由は
結論からいうと、AGA治療に効果はあります。
AGAは進行性ですから「効果が感じられない」と治療を途中でやめてしまうと再び脱毛が始まります。もしあなたが以下で紹介する理由でAGA治療には効果がないと判断し治療を諦めているのなら、それは早計です。
皮膚科の治療で効果が出ないと諦める
「AGAは頭皮に現れる症状なので皮膚科にいけばいい」と思っていませんか?
実は多くの皮膚科では、プロペシアしか処方されません。プロペシアは抜け毛を抑制する薬です。
AGAも初期段階であれば抜け毛を抑制するだけで対応できますが、進行が進んだAGAの治療には、発毛作用のあるミノキシジルが必要になります。ミノキシジルを処方できるのはAGA専門クリニックだけです。
またAGA治療は通常の疾患と異なり、専門的な領域を含みます。このような理由から皮膚科に長期間通ってもAGA治療の効果が出ず、AGA治療を諦めてしまうケースは少なくありません。
AGA専門のクリニックならAGAに特化した医師が総合的に診察したうえで治療してくれます。
治療の効果が出るのを待てず、治療を諦める
AGA治療は効果が感じられるまでに時間がかかります。
AGA治療とは短くなったヘアサイクルを正常化するものです。体内のメカニズムを人工的に変えることになるので短期間で効果は表れません。
最低でも3か月~半年は見る必要があるでしょう。辛抱強く継続することが大切です。
副作用で諦める
AGA治療薬は副作用のリスクを伴います。
たとえば
- うつ症状
- めまい
- インポテンツ
- 多毛症
などです。専門のAGAクリニックで医師の指導のもとで治療をしていれば、副作用についても適切なアドバイスがもらえますし、薬を変えてもらうこともできます。
初期脱毛に驚いて治療を諦める
ミノキシジルを治療に使用した場合、治療をスタートしてまもなく抜け毛が増えるケースがあります。これは「初期脱毛」といい、悪いヘアサイクルを一旦リセットする過程で起こる脱毛です。
初期脱毛は効果が出ている証で、あくまでも一時的な脱毛症状なので心配いりません。正しい知識を知らずに治療を諦めてしまうのはもったいないことです。
「自分にはAGA治療は効果ない」?それ、思い込みです。AGAにまつわる様々な誤解
治療に効果が感じられなかったために「AGA治療は効果なし」と判断し、途中でやめてしまう人がいます。一方、誤った知識により初めから治療をしない人もいます。
遺伝だから仕方ない?
AGAの発症に遺伝的要素が大きく関わっているのは事実です。しかし遺伝以外の原因もあります。
逆に遺伝的にフサフサの家系であるように思えてもAGAを発症することもあります。そして遺伝要素が原因でも治療で改善可能です。
治療に取り組まなければAGAはどんどん進行します。「親戚がみんな薄毛だから」「おじいちゃんも薄毛だったから自分も…」という人も諦めず積極的に治療することが大切です。
元々毛量が多い、髪が太いから大丈夫?
顔の形が違うように毛量や髪の太さは人それぞれ違います。元々の毛量や毛の太さはAGAの発症にはまったく関係ないのです。
毛量が多く太い髪の人でもAGAを発症することも少なくありません。反対に毛が少なく細い人でもAGAを発症しないこともいくらでもあります。
AGA対策は薄毛が進行し始めてからでよい?
「AGA治療は薄毛が進行してから、せいぜい40代を越えてから」と思っていませんか?AGA対策は早ければ早いほどよいといえます。
髪の毛は伸びては抜け、伸びては抜けを繰り返しています。この生え換わりの周期をヘアサイクルと呼び、「成長期」「退行期」「休止期」に分かれます。

出典:東京AGAクリニック
- 成長期 毛母細胞が分裂を繰り返す
- 退行期 細胞の活動が弱まり、毛乳頭や毛母細胞の増殖スピードが落ちる
- 休止期 完全に髪の成長が止まる
もちろんこのヘアサイクルはエンドレスに続くわけではありません。ではこのヘアサイクルはいつまで続くのでしょうか。
京都大学の研究(※1)で人の細胞は約40~50回ほど細胞分裂すると機能を終えることが分かっています。これは髪の元となる毛母細胞も同じです。
つまり
- ヘアサイクル1周にかかる期間が約2~5年
- 仮に40回の細胞分裂
- ヘアサイクル2年周期
の場合、毛母細胞の寿命は80年の計算になります。
AGAの場合ヘアサイクルが短くなります。AGA治療とは短くなったヘアサイクルを伸ばしてあげることです。
治療によりヘアサイクルが長くなっても、毛母細胞の分裂回数が残りわずかだと毛母細胞自体がすぐに寿命をむかえてしまいます。毛母細胞分裂の回数には限界があるので、なるべく若いうちにAGA対策をおこなってヘアサイクル期間を正常化させ、毛母細胞の働きを継続させることが肝心です。
※個体の寿命と細胞の寿命(研究会「生物システムにおける 認識機能の自己組織過程と自己崩壊過程」,研究会報告)|京都大学
市販の育毛剤で対処できる?
薄毛治療として手軽なのが市販の育毛剤や養毛剤でしょう。育毛剤や養毛剤は頭皮や髪に良い成分が配合されてはいますがあくまでも「存在する毛」に対してアプローチするもので、
- 頭皮環境を整えること
- 髪にコシを与えること
を目的とした薬剤です。発毛促進は見込めません。
発毛作用があるのは「発毛剤」です。
生活習慣を変えれば大丈夫?
AGAの発症には確かに生活習慣が関係しています。
- 喫煙
- 過度の飲酒
- 睡眠不足
- ストレス
などがAGAの引き金となることはあるでしょう。
ただ、完全には解明されていないもののの、AGAの直接的原因は男性ホルモンの影響によるヘアサイクルの乱れといわれています。いくら生活習慣を正してもここにアプローチしなければ改善は見込めないのです。
悪い生活習慣を改めることは髪が育ちやすい頭皮環境を整えることにつながるので無駄なことではありません。しかし生活習慣を変えることで必ずしもAGAが改善されるわけではないことは覚えておく必要があります。
AGAの適切な治療法や治療開始時期
AGA治療には効果があると分かったところで、AGAの適切な治療法についてみていきましょう。
AGAの治療薬は?
現在国内で認可されてるAGA治療薬は大きく
- ミノキシジル
- フィナステリド
- デュタステリド
の3つです。
外用薬の主成分はミノキシジル
ミノキシジルは発毛促進作用を持つ薬です。毛乳頭細胞を刺激して毛母細胞の増殖を促す成長因子を分泌させ、乱れていたヘアサイクルを正常化します。
いわば攻めのAGA治療薬です。内服薬と外用薬があります。
内服薬は外用薬よりも高い効果を見込めるものの副作用も強く服用には注意が必要です。医師の指示を仰ぎましょう。
内服薬は「フィナステリド」と「デュタステリド」を主成分とするもの
フィナステリド
フィナステリドは脱毛予防作用のあるAGA治療薬です。AGAは男性ホルモン「テストステロン」が体内で「5αリダクターゼ」と呼ばれれる還元酵素に結びつき脱毛ホルモンDHT(ジヒドロテストステロン)に代わることで発症すると考えられています。
フィナステリドは5αリダクターゼがジヒドロテストステロンに代わるのを抑制し、脱毛を予防します。いわば守りのAGA治療薬といえるでしょう。
フィナステリド製剤のプロペシア錠は、最もスタンダードなAGA治療薬のひとつとして、国内外で使用されています。
デュタステリド
デュタステリドもフィナステリドと同じく、5αリダクターゼがジヒドロテストステロンに代わるのを抑制することで脱毛を防ぐAGA治療薬です。フィナステリドが主にⅡ型の5αリダクターゼを抑制する働きをするのに対し、デュタステリドはⅠ型・Ⅱ型のどちらも抑制すると考えられています。
デュタステリドを主成分とする薬には「ザガーロ」があります。デュタステリド製剤のザガーロはフィナステリド製剤のプロペシアよりも高い効果を期待できるとされているものの、使用実績が少なく副作用の発生頻度が若干多いとされています。
薬品名(成分名) | 商品名 | 作用機序 | 特徴 |
ミノキシジル(内/外服薬) |
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フィナステリド(内服薬) |
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デュタステリド(内服薬) |
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攻めの外用薬と守りの内服薬を併わせて使うのが効率的
AGA治療は内服薬と外用薬の併用が推奨されています。“攻め”の外用薬で発毛を促し、“守り”の内服薬で脱毛の原因となるDHTの生成を抑制することで大きな効果が見込めるからです。
治療開始時期は早いほどいい
前述のよう毛母細胞には寿命があります。毛母細胞の寿命が迫ってからAGA治療をしてもあまり意味がありません。
思春期を過ぎれば、年齢にかかわらずAGAを発症する可能性はあります。なるべく早めに治療を開始するようにしましょう。
「まだ若いから」「恥ずかしいから」といった理由で手遅れになることだけは避けたいものです。
AGA治療薬の入手方法は?
最後にAGA薬の入手方法について見ていきましょう。
国内通販
AGA薬はインターネットや雑誌の通販で購入できるものがあります。ただ通販で購入できるものは限られています。
ミノキシジルのジェネリックなら通販で購入可能ですがプロペシアやサガーロなどの医師の処方が必要な治療薬は通販で購入できません。
プロペシアの成分であるフィナステリドやザガーロの成分であるデュタステリドは日本では医療用医薬品に指定されていて、処方を受けるには医師の診察が必要と薬機法できまっているためです。
個人輸入
国内の市販品は成分濃度が高いものはありませんが、海外では、高濃度の薬も流通しています。個人輸入により入手することが可能です。
けれども個人輸入は
- 健康上のリスク
- 成分や注意書を理解できない
- 偽造品の可能性
- そもそも届かない
といったリスクが伴います。個人輸入は避けるのが賢明でしょう。
医療機関で処方を受ける
最も推奨されるのは医療機関やAGAクリニックで処方してもらうことです。医療機関のものは正規品なので、安全です。
また自分の症状に最適な治療薬を処方してもらうことができます。AGAのタイプや進行度は様々で人によって適した治療薬は異なります。
素人が独自の判断で治療を続けても改善するのは難しいかもしれませんが、医師に診断してもらえば、最適な治療薬を最適な分量、処方してもらうことができるので効果を得られる可能性が高くなります。
また日本には「医薬品副作用被害救済制度(※2)」が存在し仮に健康被害が出ても病院で補償してもらうことが可能です。
(※2)医薬品副作用被害救済制度|独立行政法人医薬品医療機器総合機構
薬局
市販されているものなら薬局で購入することもできます。プロペシアやザガーロは薬局では販売されていませんが、ミノキシジルを含む外用薬であれば第一類医薬品として販売されています。
薬局やドラッグストアで購入した薬も、「医薬品副作用被害救済制度」の対象です。
AGA治療は効果はある!ただし根気強く取り組むことが大切
薄毛には非常に多くの人が悩んでいます。そしてそれゆえに、誤った知識も広まっているのが実際です。AGA治療は、即効性はありませんが。根気よく適切に取り組めば効果が期待できます。誤情報に惑わされず、正しい治療をおこないましょう。
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